心操作

「このカプセルは、脳のカケラを成長させるための機械です」


「人はどうなるんだ」


「さっきも言ったでしょう、死んでるんですよ、脳のカケラを提供するために」


サギョウの行動に苛立ちを覚える


「おまえ…自分で何やってんのか、理解してんのかよ?」


「そりぁ、分かってますとも」


サギョウはすこし目を細める


「全然だ――全然…分かってねぇよ!!!!」


俺は走ってサギョウに近づき殴りに行く


――すると


「いてっ!」


俺は足を滑らせ転んでしまった。不自然に


「どうしたんですか?殴りに来ないんですか?それとも来れないのですか?」


「クッソ」


立ち上がると


「うわっ!」


また足を滑らてしまった


「どうしてだ?!」


何度も何度も立つが同じ結果、立ち上がっては転びの繰り返しだ


「おまえ、何かやってんのか?」


「言ったではありませんか、ワタシクのしんの能力は操作マインド、そう相手の行動を操作できるのです」


「そうゆうことか…本当にあるんだなこの世界に魔法が…」


そうつぶやきながら、俺はもう一度試してみる


「お願いだ!頼む!出てこい俺の最強能力!」


パッ!と手を上にし、強く念じるが


「何をやっているのですか?あなたも能力を使ってください」


「なぜ主人公の俺には能力が出ないんだ…!」


「あなた…もしかして能力が使えないのですか?ハッハッハッハ!」


サギョウはお腹を抑えながら高笑いをする


「悪かったなぁ…俺はまだここに慣れてないんでね」


「実に面白い!能力もない赤子がワタシクに喧嘩を仕掛けてくるなど…子供の遊び相手には疲れました。ここからは、紳士のたしなみとでもいきましょうか」


自分の手が、誰かに掴まれている気がした


「ブハッ!」


自らの手で自分を殴ってしまった、頭も分かってる、体も分かってる、だけど言うことを聞かない、心の底が誰かに“操作”されているような感覚に陥る


「やめろ!動くな…!ブハッ!ヴッ!」


自分の手なのに何も言う事を聞かない


右手で自分を殴れば下ろし掴まれている感覚がなくなり、次は左手で自分を殴りに下ろせば、掴まれている感覚がなくなりの繰り返しだ


「無様ですね、自分自身の拳で何度も何度も何度も何度も、自分自身の顔を殴りに、その拳は自分自身を殴るためにあるのですか?」


「舐めやがって…」


いつの間にか、冷静だった、紳士は目を見開き、楽しそうに笑っている


抵抗し、殴る瞬間に、顔を後ろに逸らしても、その後追撃されたり、拳に思い切り力を入れてみても、いつの間にか主導権は相手に握られてる



そんな試行錯誤を繰り返すうちに、もう顔も腫れ上がり、原型をとどめていない。自らの顔を殴った手は、殴った衝撃で血だらけだ


「ゔぇーー」


口から大量の血が出る


血を出しすぎたのか、頭がボーッとして立つのもやっとだ


「ハァ…クラクラする、本格的にヤベェかもな」


「まだ立っていられることに驚きですよ、あなた中々の見込みがありますよ。だけどもうじき倒れるでしょう、もうざっと、人間の致死量の1Lの血は出してますし、痛みで倒れないことは褒めますが、そのままでは大量出血で、おしまいですよ」


「どうにもなんねぇのかな…」


喋るのがやっとだ、喋るたびに吐血をするほどもう残り時間は少ない


パンッ!自らの顔をに殴りかかろうとしていた左手を右手で受け止めた


――すると、左手から、掴まれている感触がなくなり、右手を掴まれ殴る


「ゔっ…」


俺は何かに気づいた


「なるほどな…お前もしかして――」

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主人公補生マシマシ太郎〜俺が最弱能力を使いこなせないとでも?〜 3two− @kenkoudaiichi

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