自分の財産を盗まれたから、他人に頼んで奪い返したとしても、単なる財産の保全行為とはみなされないの」
ここ、法律的には正しいでしょうが、感情的には、そりゃあないよってところもありますよね。
地位さんに横山さんのパトロンになれって部分、たぶん、探偵さん、怪盗が義統くんだと思っているように感じました。
作者からの返信
盗まれたものを取り戻しても、法的には「窃盗」を犯して取り返したとみなされますからね。経緯は関係ないんです。まあ情状酌量の余地はあるのですが、それには盗まれたものが元々自分のものであることを証明しないといけませんし、仮に証明できても、弁護士や裁判を通じて正当に返還請求をしなければならないわけですね。
でも横山佑子さんは美大生だからそんなお金なんてありませんからね。
そこで実際に取り戻せるとは思わずに、神父を頼ったわけです。
ちなみに地井玲香探偵は、最初から義統くんを狙い撃ちしております。
傍から見るとあからさまに、セビル葵と横山佑子ふたりと関係がありますからね。これがただの偶然とは考えづらいですから。
義統くんとしても地井さんが疑っているのは百も承知なので、横山佑子のパトロンにすることで、こちらの勢力に取り込んでしまいたいと考えています。
同じ勢力にいる人を訴えるわけにもいかなくなりますからね。
法律が事細かに定められている以上、現代の怪盗は昔より慎重に動かないといけないですよね。決められた手続きに従って行わないと、違反になってしまうわけですし。
地井さんも、なかなか慎重。リスクと利益を秤にかけてるところでしょうか^ ^
作者からの返信
眞城白歌(羽鳥)様、コメントありがとうございます。
そうなんですよね。怪盗ものを書こうと思って六法全書の知識を顧みると、制約になるものがかなりあるんです。
家に忍び込むと「家宅侵入罪」ですし、美術館に忍び込むと「建造物侵入罪」です。
警備会社の保管庫に忍び込むのもやはり「建造物侵入罪」になるんですよね。
表から入ったとしても、セキュリティで守られていて外の人が入ってはならないところに入ればそうなってしまうんです。
だから、いかにしてエンターテインメントを立てながら、あまり刑罰を出さずにいられるか。というあたりのさじ加減が難しいなと感じております。
まあ「探偵もの」の『容疑者のひとり』も同様ですが、あまり刑罰を強く意識させずに「エンターテインメント」に振ったほうが書きやすいし、読むのも肩肘張らずによいかなと思います。
まあ次回は「本格ミステリ」に挑戦する予定なので、そちらは刑罰でガチガチになりそうではありますが(^_^;)