第12話 別れと出会い
クリスマスももう終わり。クリスマスツリーも、片付けられる時間だ。周りのツリーが片付けられていく中、スターとクリスマスツリーは、物思いにふけていた。
「サトシくん、幸せそうだったね〜」
「そうだな…………今年も失敗かぁ………」
「……君、去年もやってたの?リア充誕生を阻止する計画」
「そうだよ。………そういや言ってなかったな」
クリスマスツリーは周りをキョロキョロと見渡し、ため息をついた。
「結局、阻止も出来ずに、彼女も出来ずに……なんか、俺ってサトシよりもダメダメだなwwwww」
「そう?君も頑張ってたよ。今年の冬は2人とも頑張ってたと思うよ?」
「根っこハッキングしたくせに……」
スターは愛想笑いした。クリスマスツリーはわかっていた。
「…それ、愛想笑いだろ」
「バレちゃ仕方ない………。おや、トラックが来たよ。そろそろお別れだね、君と一緒で良かったよ。まぁ、僕は24番くんと一緒が良いけどね!」
「そうかよ。………じゃあな……、明日から暗い倉庫で過ごすのか。あと364日後、会えるといいな!」
「そうだねぇ。君も彼女作り頑張って!」
「わかったわかったよ……サンキュー!」
業者さんが飾りやスターをツリーから取っていく。それらを箱に詰めていく。
「(なんか……ドタバタしたクリスマスだったな。これもこれで良いか!!!!!!)」
クリスマスツリーはトラックに入れられた。
ブゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥン
「……………………」
周りのツリーは皆んな寝ている。やはり疲れているのだろうか。
「………(俺も寝るか〜)」
クリスマスツリーが寝ようと、目を閉じようとした時、隣のツリーが話しかけてきた。
「あのう、すみません」
「ん?どうした?俺は寝ようとしてるんだが…」
「あのう……実は、私、あなたのことが好きなんです!付き合ってください!!!!!」
「えぇ⁉︎⁉︎⁉︎⁉︎⁉︎⁉︎⁉︎⁉︎⁉︎⁉︎」
突然告られて、クリスマスツリーは驚いた。理由を聞いてみると。
「私…ミライ屋の屋上庭園に飾られているツリーなんですけど、ずっとあなたのことを見ていました。やり方は強引ですが、恋に頑張るところに、なんか、こう、新しい気持ちが生まれて……、これってなんだろうな、って思ってる内に、恋だと気づいたんです。突然すみません。…………………」
告ってきたツリーは顔を真っ赤にした。ツリーは驚いた表情のまま停止したが、すぐに笑顔になって、こう答えた。
「……………も、もちろん!!!!!!」
全員、ハッピーエンド。いや、ハッピースタートですね!
クリスマスツリーはリア充を滅ぼしたい まめでんきゅう–ねこ @mamedenkyu-neko
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