第11話 告白
クリスマスイブ。サトシはコンビニの裏の公園へ来た。ここでミカに告白する。クリスマスツリーが何から何まで仕込んでくれた時間と場所だ。
「……………」
サトシが緊張していると、スターが飛んできた。
「ここで告白するのね!サトシくん、君はいい男だよ!僕が付き合いたいぐらいさ。お幸せにね?ミカちゃんと」
「ありがとう。頑張るよ」
その様子を遠くから見ていたクリスマスツリー。ミカが告られた瞬間、融合したコンビニの壁を開いて、秘密兵器である下着をドボドボと大量に出すプログラムを根っこに組んでいた。完璧!と、ツリーはほくそ笑んだ。
「サトシよ、クリスマスを憎むなよ!」
クリスマスツリーは大笑いしていた。スターもその様子を見ていた。
「寝たなぁ。……さあサトシくん、頑張って!」
「え⁉︎もう⁉︎」
サトシはまだ心の準備ができていない。スターが消えると、余計焦った。心拍音が大きく聞こえる。寒いのに手汗が出てきた。
「ヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバい」
交差点の近くで、ミカが車から降りてきた。こちらへ向かってくる!
「ヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバい」
「(そりゃ緊張するでしょうけど、あんなので文字数稼いじゃ、詐欺になっちゃうじゃん)」
ミカがサトシの目の前に現れた。
「今度は何?」
「えっとですねー、そのー、なんつーか、いや、まぁ、うん」
「……なんか既視感がある気がするけど」
既視感とは、実際には体験していないのに、体験しているかのように感じる現象だ。しかしミカの場合、似たような出来事が今月に何回も起きている。そりゃ既視感もするはずだ。
「………えっと、その〜」
「…………………」
ミカは辺りをキョロキョロと見渡した。サトシが焦った。その時。
「(今だよ、サトシくん!!!!!!)」
心の底からスターの声が。サトシは決心した。
「ミカさん!!!!!!」
「⁉︎…………」
「僕と…………、僕と付き合ってください!!!!!!お願いします!!!!!!」
「⁉︎…………………www」
「……???」
「あっはっはっはっは!」
ミカは大笑いした。サトシには訳がわからない。そしてスターにも。
「……ど、どうした?」
「…いやぁ、なんか、まぁ、知ってたよ。予想通り」
「え????????????」
「なんかね、下着くれた時からそんな気がしたんだ!」
ミカがニカッと笑った。そして。
「もちろんOKだよ!!!!!!なんかこう、恋に一生懸命に頑張る感じ、なんか好きwwwww」
「えぇ⁉︎ほ、本当⁉︎」
「おめでとう!!!!!!!!!!!!サトシくん!!!!!!!!!!!!」
スターが戸惑いながらも、クラッカーを発射した。スター自身も、本当にOKがくるとは思わなかったからだ。
「クリスマスイブにカップル誕生って、なかなか良いねぇ!クリスマスのためだけに即席でカップルになる人らと大違い!」
ミカはサトシが自身が好きなことを勘づいていたようだ。それでも下着を渡されて好きだと勘づく考え方もちょっとおかしいと思いますけどね。
「ねぇ、ミライ屋行こうよ。レストランでなんか食べよう!」
「初デートがカップル誕生日って、すごいスピードだなぁ」
「これも僕のお陰だね!」
スターがさらっとマウント取ってきたが、聞いていない2人。ミカがサトシの耳元で
「今日、サトシがくれた蜜柑の柄が入ったブラジャー着けてるんだ」
「マジ?ありがとう」
…………お幸せに。
チッ(舌打ち)。
ズドォォォォォン
いきなりコンビニの裏の壁が破壊され、中から女子用下着が雪崩のように溢れてきた。
「じゃじゃーん!残念した〜〜!!!」
小さなクリスマスツリーが根っこから現れ、大声で喋った。しかし誰もいない。
「………あれ?サトシは?ミカは?」
「あれれ〜?クリスマスツリーくんじゃないか〜い。こんな所で何してるの〜〜?」
スターが現れた。
「スター?おい、サトシは?」
「サトシくん?ミカちゃんとミライ屋へ行ったけど?」
「は????????????????????????????????????」
「は??????ってwwwwwwww。何々〜?サトシくん告白もうしちゃったよ?カップル誕生しちゃったよ〜?」
「へ????????????????????????????????????」
「今度は、ひふほかな?www。君、根っこに約束の時間に壁を下着で突き破るプログラムを組んだらしいけど、そんなの僕がハッキングしちゃったんもんね〜〜〜〜!」
「ハァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァッキング??????⤴︎⤴︎」
スター曰く、クリスマスツリーの根っこのプログラムをハッキングして、なんと2時間も時間を遅れさせたらしい。
つまりツリーは誰もいないコンビニ裏の広場で、自信満々に叫びながら下着の雪崩を発生させたというわけだ。恥ずかしいねぇ〜w。
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