第10話 切り札
迫り来るクリスマス。と、サトシとミカの緊張感。あと、クリスマスツリーのワクワク感。もはや三つ巴のようだ。
「サトシ〜。告白してこいそろそろ」
「は⁉︎⁉︎⁉︎⁉︎⁉︎⁉︎」
クリスマスツリーがいきなりサトシに言ってきた。サトシはツリーの元へ別に相談しに来たわけでもなく、いきなり現れ、いきなり言われたのだ。
「ツリーって瞬間移動できんの⁉︎⁉︎」
「え?いーやまぁそんな感じ?どうでもいい!とにかくミカへ告白してこい!!!!!!」
本当にいきなりすぎる。もはや面倒になってきたから発言しているかのようだ。だが、クリスマスツリーもそういう考えだった。策を練って練って練りまくっている末に、適当に告らせて破綻させようと思ったようだ。
「………さすがに早くない?」
「バカ!クリスマスまであと少しだけなんだぞ!作者がサボりにサボってるから、こんなに余裕がなくなったんだ!!!!!!」
唐突なメタ発言やめろ。
クリスマスツリーには考えがあった。下着をミカに渡して、ミカは何故なのか疑問に思った。そこでツリーがサトシはミカのことが好きだからと、ネタバレさせる。ミカの性格からして、おそらくまたサトシに聞きに行く。その時にサトシに告らせ、完全に破綻させるのだ。しかもツリーには保険がある。ツリーはあらかじめ下着を大量に買っておき、告白する予定の場所に隠しておく。そしてサトシが告ったあと、その下着を全て出す。ミカはサトシがそれらを買ったと思い、本当の本当に破綻させるのだ。
超完璧?な計画をツリーは1人で考えてしまったのだ!サトシにリトライさせないよう、告白はクリスマスイブにやらせる。次の日にはクリスマスツリーも回収されるはずなので、復讐もされない。本当に保険を何重にもかけた、最後の切り札なのだ。
「けど流石に早すぎじゃない?」
「大丈夫だ、俺には考えがある。ちゃんと望みが叶うようにな(俺の望みwwwwwwww)!心配すんな!」
「ああそう………」
「そうだ!場所は俺の広場から少し離れたコンビニの後ろの公園な。場所間違えんなよ!」
「うん。………なんか、何から何までありがとう……。…………ツリーに会えて幸せだったよ」
「バカ!これから幸せにするんだろうが!お前が!ミカを!」
「………分かってるよ。…………本当にありがとう」
本心から感謝の言葉を言われたクリスマスツリー。自分はサトシを絶望させようとしているのに、そんな事にも気づかず、お礼を言う彼に呆れた。
「……おん、頑張れよ」
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