第9話 答え
2人の思考が完全に相手のことばかりになった。ミカは放課後、クリスマスツリーの広場とは違った、人の少ない広場にサトシを呼んだ。
この時のミカの思考→「リナの言う通り、ちゃんと聞いた方がいいんだろうけど、勘違いされないかな」
この時のサトシの思考→「え⁉︎もしかして告白⁉︎いやまさか!そ、そんな訳ない…。きっと怒ってるんだ!まずい!!!!!!」
…完全に勘違いしていた。
幸い近くにクリスマスツリーはいない。ミカは今だと思い、サトシに聞いた。
「ねぇ?あの、………聞きたいことがあるんだけど」
「………うん」
「………あの時、なんで下着くれたの?」
「え⁉︎」
サトシは驚いたが、同時に焦った。またクリスマスツリーのせいだと言うわけにはいかない!!!!!!かといって、ドラマみたく、お前が好きなんだ!!!!!!とか言ったら、フラれる。…と思う。あれはドラマだから許される行為なのだ。
「えっとねぇ………あのねぇ…………。その……なんというか、ねぇ?」
「うん」
「そのお〜〜〜〜、あーと、いーと、うーと、えーと……」
「おーと??????」
「いや、別に!!!!!!あの、その、……………………察してください」
「………………?」
ミカの返事があまりにも短すぎて、答えを考える時間がない!!!!!!サトシの脳内にクリスマスツリーが何度もよぎった。好きだからと言えと、誰かの声も聞こえた。しかし、結局それは口には出さずに、脳内にとどめておく。
「(どう答えれば⁉︎……ってかまずなんで急に聞いてきたんだ⁉︎あ、そうだそれを聞こう)あの………急に何故そんなこと聞いてきたの………ですか?」
「え、質問に質問で返さないで?」
完全に論破された。この状況をどう乗り越えればいいのか。サトシは自身をわざわざ忠告してきたスターに逆らい、下着をあげたことを後悔した。思えば最近後悔ばかりしている気がする。それらは、行動を起こしたのが原因だ。今回は何も言わずに、ただ黙っていようか?いや、気まずすぎる!!!!!!
サトシは彼女に発言する言葉を決めたようだ。
「……あの、その、それを聞くの、やめてもらっていいですか!!!!!!!!!!!」
「⁉︎⁉︎⁉︎……………ごめん。そうだよね……忘れて?もう……」
「………(禁句だったかもしれない)」
このまま後悔するのか?し続けるのか?今言い直さなきゃ、一生後悔する。だが、そんな勇気ない………。だいたい恋愛で苦労するのはいつも男だ。男の方から告白するのが当たり前。女はかなりのナルシストで、男が
「………こちらこそ、勘違いさせるようなものあげて、ごめん。忘れて?……じゃあね」
「………………………」
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