第8話 相談

サトシは学校の廊下をのんびり歩いていた。クリスマスツリーとスターと和解して、気持ちが落ち着いたようだ。

そんなところに、緑の星が飛んでいく!

「よ!昨日ぶりだな!」

「うわぁ⁉︎なんだ⁉︎誰⁉︎」

「俺だよ俺」

「もしかして父さん⁉︎」

「違う違う。声で分からないか?クリスマスツリー25番だよ!」

「えぇ⁉︎」

あんだけ巨大なクリスマスツリーが、こんなにも小さな星となってしまったら、そりゃ誰でも驚くだろう。まず星になった時点でおかしい。

「…で、なんで学校へ来たの?」

「そりゃお前の面倒が見やすくなるからな。いちいち広場まで来なくても、相談できるぜ!!!!!!wwwwwwww」

本当か嘘か分かりにくい笑い方で、普通の人でも見破りにくい。しかし、人をすぐ信じてしまい、さらには頑固なサトシには、尚更見破りにくいだろう。

キーンコーンカーンコーン

「とりあえず授業だから、一旦俺は退散する。後でまた来るから」

「OK!!!!!!」


















クリスマスツリーはミカのところへも行った。

「よ!覚えているか?」

「キャッ!お化け!!!!!!」

「違う!クリスマスツリーだよ。サトシが前にお前にプレゼント渡しただろ?その時サトシが責任を押し付けたツリーが、この俺さ」

「……そういえば、その時ツリーがいたなぁ。で、何の用なの?」

「お前はサトシのことが嫌いか?」

「……いやぁ、そういう訳じゃないけど…好きではない」

「ならうまく遠ざけられるように、俺が手伝ってやる」

「いや、遠ざかりたい訳ではないんだけど〜」

「自分の心に素直になれ。お前は下着をあんまり話したこともない男からプレゼントされたんだぞ!変態じゃねぇか!!!!!!」

「まぁ………確かに?」

「そうだ!俺が手伝ってやるから、安心しろ!!!!!!!!!!!!」

「それはありがとう」

ツリーはまずミカを信用させた後、先生に相談して、追い詰めようと、ガチの提案をした。

「え……流石にそれは鬼畜すぎない?」

「これくらいがちょうど良いんだ。じゃあ早速先生の所へ行ってこい!この学校には相談専門の先生がいるんだろう?そいつで良いじゃん」

「そ、そいつって………」

クリスマスツリーに強制されて、ミカは相談室へ向かった。


















こうしてサトシとミカの運命を完全に握ってしまったツリー。彼はこの絶対的権力(ちょっと盛った)で、リア充の誕生を阻止できるのだろうか?












クリスマスツリーに相談室に行けと言われたミカだが、行かなかった。理由はサトシに悪気はなさそうだったからだ。

「(行かなかったら行かなかったでツリーに怒られそうだけどなぁ)」

行っても行かなくても罪悪感が残りそうだ。特にサトシはあの日、精神が崩壊してそうだから、ここで相談してしまうとまずい。

ミカは友達に相談することにした。ミカの1番の親友、リナは大人しい性格で、約束も守るし、何より人の話を素直に聞いてくれるところ。

「ねぇどう思う?」

「………そうだねぇ。サトシにはなんで下着をくれたのか聞いたの?」

「………いや、聞いてない」

「じゃあ聞いてみれば?」

「でもなんか聞きにくくない?なんか気まずいし」

「でも………訳がわからなきゃ何も言えない」

「そうか……………。ありがとう。また相談していい?」

「いいよ」

果たしてもし本当にミカが聞いたら、サトシはどう答えるのだろうか?

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