売れる作品と書きたい作品の葛藤

 ご自分で創作活動をされている方なら一度は経験したことがあると思います。この葛藤。今まさにその葛藤とぶち当たっております。


 色々編集者の方とお話をしていくうちに、気づいたことがあります。

 それは、


「編集者としては売れる作品にしか興味がない」


 これは悪い意味ではなく、当然の立ち位置となります。

 一方で、我々は特にこの創作で食っていっているわけではないアマチュアは、


「もちろん反響は欲しいが、書きたい作品を書きたい」


 という立ち位置になります。

 これが一致していればもちろん最高ですが、ほとんど一致しないということは経験的にお分かりいただけると思います。

 この「読者が求める作品」と「作者が書きたい作品」の共通項を探すのがまず最初にお訪れる長い旅となるわけです。


 自分の中で「これ面白そう! 色々ネタも膨らませられそう」と思っても、編集者の立場からすると「うーん、」ということになるわけです。


 このやりとりをしていて気づいてしまったのですが、我々(少なくとも私)は今まで書きたい作品だけ書いてきたのだと。そうでない作品は書かなくて良かったので、あまり気にしていませんでした。


 しかし今、その共通項を探す長い旅を続けております。

 具体的には「こんなのどうですか!」というものもプロの目からしたら「こうこういう理由で、少し難しいかもしれません」という意見になります。一方で、「こんな作品もありましたよね、ここをこうしたこんな作品とか」と言われながら、こっちとしては(それはちょっと、書きたいという気持ちが湧かないな……)というなることもあるのです。


 もうこれはたくさん考えて、うまく一致するものを探していくしかないのだと思います。ただ最後にこうおっしゃっていました。


「売れる作品を探すなら、異世界一択です」


 嫌いではないけど、あまり得意でもないんですよね。いわゆる売れる作品にどこまで自分のキャパシティを寄せられるか、という今まで経験したことのない作業をしております。


 しかし、あの名作「仁」もいわゆる異世界ものなんですよね。時代変化ではありますが。あれなら面白いな、と思えるので、あの作品のようにアイデアを出しながら、面白いと思える作品を探しているところです。

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【奮闘記】漫画原作者のつぶやき 木沢 真流「漂流病棟」GANMA!で連載 @k1sh

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