新たな作品を始めるときの流れ

 今回の漂流病棟は異例だったということはこのエッセイの最初にも述べましたが、この度新しく漫画原作というものと向き合う時はどのような流れになるのかがわかりましたのでシェアいたします。

 今後漫画原作を目指す人や、選択肢として視野に入れている人の参考になればと思います。


 まず、公募をみてみますと、シナリオの公募は多数あります。そのほとんどがタイトル、1話のあらすじ、大まかな方向性、世界観などを応募して、大賞やその他小さな賞というものが設定されているようです。公募でのシナリオ応募はしたことがないので、その先はわかりません。

 ジャンプやマガジン、ジャンプ+など大手の公募も多数行っており、それぞれ新規開拓路の獲得に必死であることが予想されるのと、おそらく戦いも熾烈になるだろうことが予想されます。


 これらは大手の話で、今回お話いただいているGANMA!やその他多数のレーベルは少し違うようです。何らかの方法で編集者の方が作家さんにあたりをつけて、この人とやっていこうと思っていただけたら、上記のあらすじ、世界観などの話を10としたら、それこそ1とか0.5の段階から一緒に作っていくそうです。


 それこそ「酒を飲むと記憶が戻るヒットマンが愛する人を守る」みたいな具体的な内容が全然決まっていない状態でもいいので、そのテーマというものを一緒に考えてくださるそうです。編集者の方はプロですから、私としてはこのやり方はありがたいと思いました。


 ということはですね、ここに朗報があると思うんです。

 私の場合は運が良かったわけですが(それでもやはり特別賞というのは影響はあったようです)、もし編集者の方に見つけてもらえさえすれば、その後の頑張り次第で作品化への道はだいぶ明るい、ということではないでしょうか。編集者の方も作品がほしいわけです、お互い一生懸命やりますから、公募のようにあたれば確定、ハズレればゼロ、というものではないですから、まだ頑張れるような気がします。


 そして編集者の方はどうやって作家さんを探すのかというと、ここからは推測も入りますが、公募などに応募したとき、大賞を取らなくても「この作家さんなら良い作品描いてくれそうだな」とか「方向性が合っていそうだな」と思ってもらえたら声をかけてもらえる可能性があるわけです。


 例えば、カクヨムコンの特別賞というものは書籍化が確約されたものではありません。しかし、受賞発表前に、KADOKAWA編集者の方からアプローチが一度あったわけです。これはこういった賞というものが「眼に見える賞」だけではなく、応募することで、審査員以外の編集者も見てくれている可能性がある、ということです。


 つまり、大賞などの賞を受賞しなくても、気が合っていれば、編集者の方から声がかかる可能性がある、ということです。(私の場合正直実力で声がかかったというより、特殊な職業柄ということが強そうであったのは否めませんが)


 編集者の方が作家を探す時はXのDMで突撃することもあるようですから(私の場合もそうでしたが)牧野様もいつかおっしゃっていたように、誰かからの連絡を取れる手段を残しておく、というのも大事なんだと改めて思いました。


 また、「この人、狙いの作品を書いてくれそうだな」と思ってもらうにはやはり作品を完結させて、アップさせておくことが大事なんだと思いました。


 実際作品化に至るまでは大変かもしれませんが、正直当ても無いまま作品を書き続けるよりは、私は誰か、しかもプロの方と一緒に構想を練りながら話ができるのはいいことだと思いました。


 しかし、そういいことばかりではないというのがやり始めて早速実感し始めました。

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