第5話 第二王子・レアンドル




「ああ、ヴァルは今日もかわいいな」


そう言いながら突然来た不審者はバレンを抱きしめた。


「…お、はようございます。レアン兄様」


嬉しいのですがウザいし苦しいので離れてくれませんか?」


「ああ、それは済まなかった。お詫びにこれから街に買い物に行かないか?」


「遠慮しておきます。ご令嬢と行ってください」


「俺はヴァルと行きたかったのだが……」




なんだかバレンはこの人が来てからすごい困っているように見えるな……


この不審者、バレンが剥がしてもすぐまたひっついてるし……



「バレン、大丈夫?」


「大丈夫だよ、心配してくれてありがとう」


大丈夫か聞いてみたらふんわりと笑って大丈夫だと返ってくる。


けれどもその笑顔が少し引きつって見えた。


やっぱりだめか…。


大丈夫か聞かれたら大丈夫って答えるもんね、みんな。



あたしはバレンを撫でようとちょいちょいとバレンを手招きした。


バレンは不審者の手を自然にほどいてこちらに来てくれる。


「どうしたんだい?クリス」


ん?クリスって誰?


そんな疑問が顔に出ていたのか、バレンが答えてくれた。


「クリスはね、クリスティーヌの愛称なんだよ」


なるほど…てことはバレンは、


「バレンはバレリアンだから愛称はバレン?」


「そうだよ!正解!クリスすごいね!」


そう言ってバレンは笑顔で頭を撫でてきた。


あたしがバレンを撫でたかったのだけど。


まあ、バレンが笑顔になったからいいのか…?


「おい女!!」


突然不審者が走ってきたと思うとバレンをあたしから離して怒鳴ってきた。


「ヴァレリアンの愛称はヴァルだぞ?!正解でもなんでもねぇ!!」


「ヴァルもあの女に正解と言うように脅されたんだろう?怖かったよな、ごめんな」


「女!!お前がこれ以上近づくとヴァルに悪影響しか及ぼさない!!」


「ヴァルに一生近づくなよ!!!!王子命令だ!!!」


え、この人王子なの…?まじで?このすごい怒鳴ってくる不審者が?


でもさっきバレンが兄様って言ってたし、本当かな?


とりあえず名前を聞こう。うん。


「えっと…今更ですがどちら様ですか?」


 「「ブフォッッ」」


バレンとアロイスさんが抑えて吹き出すのが聞こえた。


「はああ?!!!!この俺を知らないだと?!」


自称王子の不審者は顔を真っ赤にして怒鳴った。


「お前!!!!自分の兄の名を忘れるとはどういうつもりだ!!!!!」


だってあたしこの世界に来たばっかだし、知らないもん。


「兄様、クリスは記憶をなくしてしまっているのですよ」


「ヴァル、このようなやつなど名前で呼ぶ価値もないんだから呼ばなくていいものを……それも脅されたのか?」


「兄様話を聞いていましたか???」


「女!!俺は寛大で優しいから名を言ってやる!!次忘れたら潰してやるからな!!!」


「俺の名はレアンドル・アルセーヌ・レティシア・アシャール!!!この国の第二王子だ!!!!!」


不審者改め第二王子ねぇ……


綺麗な金髪に少し暗めの赤ルビーレッドって綺麗な見た目してるのに性格がすごいクズだね。


こんなクズが第二王子はちょっとこの国大丈夫かな??ってなるな。


「わかったか!!!」


……うるさ


「…はい、わかりました。レアンドル兄様ですね?」


「お前が俺を兄だという資格はねぇぞ?!様と呼べ!!!!」


この人めんどくさい…


「申し訳ございません。レアンドル様」


「そうだ!!それでいい!!」



一体何なんだろう、このバレンとあたしの落差……



これがこの体の王女クリスティーヌが消えた原因…?




バンッ


「うるさいですよ、レアン。外まで聞こえてます。」


また突然扉が開いたと思うと今度は漆黒の髪に少し暗めの赤ルビーレッドの青年が入ってきた。


なるほど……この少し暗めの赤ルビーレッドは王家共通なのかな?


てかデジャヴですね!!!



君誰ですか!!



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あけましておめでとうございます!!


そして皆さん読んでくれてありがとうございます!!


これから完結まで見守ってくれると嬉しいです!!


2月に受験が控えているため更新頻度は亀とナマケモノをそれぞれ2乗して掛け算したみたいな速度ですが、受験が終わったらきっと!更新頻度はもっと早くなると思います!!…………多分←



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転生先は嫌われ王女でした。 ちょこましゅまろ。@多忙のため活動休止 @oshigatoutosugitekomattemasu

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