第4話  記憶喪失の王女(ふり)と双子の弟と護衛騎士



「ん……」


「クリスティーヌ…?」


目を開けると目の前に超美形が見えました。


「ふぇ……?」


「よかったっ……もう起きることがないかもしれないって言われてたからっ……」


そう言って目の前の美形はあたしを抱きしめてきた。


………いや、誰?


ふと美形くん(勝手に命名)の後ろをみると騎士みたいな服を着たこれまた美形な人が目を潤ませてこちらをみていた。


「あ、あの……」


「どうしたんだい?クリスティーヌ?」


あ、この王女クリスティーヌって言うんだ。へー


じゃなくて!!


「ちょっと苦しいので離れてくれませんか…?」


「それと、どちら様ですか…?」


「え…?クリスティーヌ僕を覚えてないの…?」


「……?」


「自分のことも……?」


「……コク」


当たり前でしょ。だって転生してきてなんもわからんもん。


「そんなっ……」


美形くんは絶望したような顔になってふらりと倒れ、後ろの美形騎士さん(勝手に命名パート2)に受け止められていた。


「大丈夫ですか、ヴァレリアン様」


「ああ、ありがとうアロイス」


へぇー、美形くんはヴァレリアン、美形騎士さんはアロイスって言うんだ


 「…ヴァレリアン様。クリスティーヌ様の記憶がないのはすごい悲しいです。」


 が、これは逆に良かったのでは?


 「記憶を新しく作ることで、あれらを忘れられるんですよ」


 「……生きているだけでも奇跡だから我慢しろと?」


 「……あいつらがやったことを忘れているのだから喜べ、と?」


 「…はい」


「……それもそうだな」


そう言って美形くん改めヴァレリアンは立ち上がってあたしに向かって歩いてきた。


さっき美形騎士さん…じゃなかったアロイスさんと何を話していたんだろうね?


「はじめまして。僕はヴァレリアン・エナン・ローズ・アシャール。このアシャール王国の第四王子だ。」


「この騎士はアロイス・バティスト・モーロワ。僕の専属騎士だ。」


「はじめまして、クリスティーヌ様」


「そして君の名前はクリスティーヌ・マルレーヌ・ローズ・アシャール。この国の第一王女で僕の双子の姉だ。」


「クリスティーヌ……」


それがこの王女の名前だったのか。


可愛い名前だな。


容姿はどんなのか知らないけどね。


ふと、バレン、だっけ?と双子なら瓜二つだったりしないかと思ったあたしは目の前に立つバレンをよく見てみた。


白銀の少し長めの髪にキラキラ綺麗な少し暗めの赤ルビーレッドの瞳。肌は白かった。愛されてるなぁ……


バレンと双子ならこのクリスティーヌもこんなんなのかな?


ふつーにみたい。


「記憶がなくなってしまったのは仕方がない。今日からまた新しく作っていこう?」


……それなら全て知れるからいいかも?


「……うん…!」



バァンッッ



その時部屋の扉が弾けるように開いた。



なになになになにっっっっ??!!!



「ああ!やはりここにいたか、ヴァル!こんなクズのとこにいたらまた体調不良になってしまうぞ?」



……お前誰?ていうか会ってそうそうひどい言い草だな????


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


お読み頂きありがとうございます!

もし「面白い」「続きが気になる」と思ってもらえましたら、是非とも『★★★』と『フォロー』のご評価をお願いいたします<(_ _)>







  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る