第6話 食事は色だ!
バランスの取れた食事が大切。
これも皆さん、耳にできたタコが連れ合いを求めてわめき出すぐらいさんざん聞いていることですよね。バランスの取れた食事を実践するために悩んでいる方も多いかと思います。
でも、大丈夫。そんなに悩む必要なんてないんです。
主食+タンパク源+カラフル野菜。
これだけ用意しておけばいいんです。
母が歳をとって弱って以来、私が食事作りをしているわけですが、私は肉や魚はあまり好みません。食指が動かないんですね。食べる肉と言えば鶏胸肉ぐらい。魚はほとんど食べません。ですので、私の好みに合わせて作ると自然と『地中海式ダイエット』」と呼ばれる食事内容に近くなります。つまり、少量の肉とたっぷりの野菜、と言うわけですね。
ただし、タンパク質は大切です。タンパク質は筋肉のもと。タンパク質が不足すると筋肉が作られなくなり、痩せ細ってしまいます。筋肉が弱れば体力も落ちますし、基礎代謝が落ちて太りやすく、痩せにくい体になります。
そんなことになっては健康を維持して人生を生ききる、なんてできません。うちの父親なんて歩けなくなった頃には足の筋肉がすっかり落ちて、いわゆる『骨と皮』だけの状態になっていました。
いや、ほんと、足をつかんでも筋肉の感触なんて全然なくて、指の先がふれてしまうんです。それぐらい、細くなっていたんですよ。
「そりゃ、これじゃ立てんわな」
そう納得してしまうありさまでした。
そうならないためにもタンパク質をきちんと取って筋肉を作りつづける必要があります。ですので、タンパク源は毎食必ず、用意することにしています。目安としては一食当たり一〇〇グラム程度とか。
タンパク源と言えば肉や魚、乳製品、豆類などですが、前述の通り、私は肉や魚は好みません。そこで、タンパク源となるのはもっぱら鶏胸肉、卵、大豆製品です。チーズやヨーグルトも手軽でいいですね。ヨーグルトは乳糖が分解されているので乳糖不耐症の人でも食べられますし。カルシウムの補給にもなります。
ただし、ヨーグルトは胃に負担がかかるという意見もあります。水で溶いて薄めるといいと言うので、私はヨーグルトはよくスープにしています。
作り方は簡単。
ヨーグルトと同量の水をボウルに入れてシャカシャカ混ぜる。
ざく切りにしたトマト、キュウリ、リンゴなど適当な野菜と果物を放り込む。
乾燥ニンニク、オリーブオイルを入れて塩・コショウで味付けする。
それだけです。
手軽に作れてタンパク質をしっかり摂れる冷製スープのできあがりです。特に、火を使いたくない夏場にはありがたい一品です。
次に野菜ですね。
これは使う野菜はほとんど決まっています。夏場ならばトマト、ナス、ズッキーニ、オクラ。それ以外の時期ならニンジン、タマネギ、カボチャ。色のちがいは栄養のちがい。専門的なことを考えなくても色とりどりの野菜を食べていれば自然と栄養バランスは良くなります。特に紫色の野菜(ナス、赤キャベツ、赤タマネギなど)はポリフェノールが多く含まれていて健康効果が高いのでお勧めです。
ニンジンも普通に見られるオレンジ色のものだけではなく赤や黄色、黒など様々な色があります。栽培期間が短いのか出回る時期が限られているのが難点ですが見かけると買うようにしています。
ただ、野菜には茶色がありません。そこで、キノコ類の出番です。私はシメジをよく使っています。茶色ではありませんがエノキもよく使いますね。
えっ?
同じ野菜ばかりで飽きないかって?
大丈夫。野菜は調理法が豊富です。調理法や味付けをかえることで同じ野菜ばかりでも飽きることなく食べられます。スープひとつとってもシンプルな塩味からコンソメ、トマト風味など、幾つもの味が作れます。味噌汁や鍋も具だくさんスープの一種と言えますね。鍋つゆはそれこそ『無数』と言っていいぐらいの種類があるのだから飽きる心配なんてありません。
では、よく作る定番メニューをいくつかご所介しましょう。
チーかまエッグ(目玉焼き。チーズかまぼこ。付け合わせサラダとしてキャベツ、タマネギ、大根、ニンジン)。
具沢山味噌汁(ニンジン、タマネギ、カボチャ、シメジ)。
主なタンパク源は卵ですが卵一個では少ないし、食べでもないのでチーズかまぼこを足しています。付け合わせサラダにはアブラナ科の野菜が欠かせません。アブラナ科の野菜は栄養豊富なうえに健康効果の高い機能性成分も豊富です。ここではキャベツを使っていますが、水菜もお勧めです。水菜はアブラナ野菜のなかでも特に栄養が高いです。
また、タマネギに含まれるアリシンには疲労回復効果があります。大根に含まれるアミラーゼは消化を助けてくれます。共に熱に弱いのでサラダとして生のまま食べるのに向いているのです。
ニンジンは……まあ、彩りですね(笑)。
ニンジンにもカロテンという栄養素が含まれていますが、これは油と一緒に食べた方が吸収力が良くなるので生で食べる意味はあまりありません。それに、ニンジンは切った状態で他の野菜と一緒にしておくと他の野菜のビタミンCを破壊してしまう性質があります。長時間放置せず、直前に切るのが良。
野菜カレー(ニンジン、タマネギ、カボチャ、シメジ。夏場ならトマト、ナス、ズッキーニ、オクラ)
豆乳プリン(卵、豆乳、クルミ)。
カレーには市販のカレールウを使っています。肉が入っていないのは単なる私の好みです。もちろん、肉入りのカレーを作ることもありますが、やはり使うのは鶏胸肉ぐらいですね。
カレーに野菜がたっぷり含まれているのでサラダなどは用意しません。ただし、野菜カレーだけだとタンパク質が摂れないので豆乳プリンで補っています。
作り方はこれまた簡単。
卵と豆乳をボウルに入れてシャカシャカ混ぜる。
耐熱容器にそそいで、砕いたクルミをパラパラ。
一八〇度のオーブンで三〇分焼いてから余熱で五分。
これで立派なプリンのできあがりです。
分量的には卵三つにつき豆乳二〇〇グラムがちょうど良いようです。
二〇〇グラムというとちょうどその分量のパックを売っていますし、ココア風味や紅茶風味、フルーツミックスなど様々な種類がありますので豆乳の種類をかえることで手軽に幾つもの味を楽しめます。味付き豆乳にはすでに砂糖が入っていますので、それだけで甘味がありますが、好みで砂糖を振りかけても構いません。なお、豆乳を無調整のものにかえ、砂糖は使わず、シイタケなどの具を混ぜると茶碗蒸しになります。お好みでどうぞ。
カレーではなくシチューにしたときもやはり、豆乳プリンはよく作ります。
鶏胸肉のソテーと豆のスープ。
塩とコショウのみで味付けしたシンプルなソテーです。皮はのぞいてください。また、弱火で時間をかけて焼いてください。強火で焼くとパサパサになります。
付け合わせのサラダはやはり定番のキャベツ、ニンジン、タマネギ、大根です。豆は栄養豊富な食材ですが、タンパク質も豊富。特に菜食主義者にとっては欠かせないタンパク源です。
私は豆もよく使います。
ひよこ豆、白インゲン、金時、レッドキドニー、小豆、レンズ豆……。
種類も豊富でおいしい豆類は何かと役立つ食材です。
と言うわけで次回は豆に関してお話ししましょう。
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