第3話
「なあ、色男、うちに来ないかぃ?、、、三本目だから、、、充分、相手できるよ?」
受付痴女に討伐したナマモノを山程提示し、彼女がその薄く脂っこい唇を小刻みに震わせ、屈辱を感じ、微妙に股を広げてる様を見ながら、彼女の付近に漂う僅かなアンモニア臭と伴にテイスティングしてる至福の時に、
いきなりその女は声を掛けてきた。
その女はココの冒険者グループではトップクラス。男2に女1の3人のグループである。
「やめてください!姐さん!!俺らじゃ、足りないってんですか?」
「そうです。そんな訳のわからない奴、どんな病気持ってるか分かんないんですよ?」
「ふふっ、嫉妬してかわいいねぇ。でもあんたらが死なないためには、もう一本必要じゃないかい?。。。特に前衛のぶっといのがさ」
「「いや、しかし、、、、」」
『あー、声を掛けてくれてありがとう。でも、悪いがソロが信条でな。スポットなら良いが、特定の穴兄弟は造らないようにしているんだ、面識があると引っ張られっちまう癖があってな。命取りになるから、、、避けているんだ。誘ってくれてありがとう。すまない。』
。。。。。気を遣うわ。
だが、声を掛けてもらったのは嬉しい。一人で生きているが孤独は楽じゃない。誰かといてもいい、だけどあまり、人と居るのは疲れる。
でもまぁ、少しありがたい。
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雨の音が聞こえる。
「あああぁっ。。。」「ううっつ」「姐さん、、、もう出るぅxxxxx うっ」
「ぷはぁあっ、、、ほらぁっ! しっかりおしよ!あっつxxxxxxxxう! そうだ!しっかり!もっと!!!」
「空っぽにしな!悔いを残すんじゃないよ!!明日死ぬかもしれないんだ!全部出せ!アンデッドにならないようスッカラカンにすんだよ!!」
生と死、その局面は必ずくる。ヤリ残しは駄目だ。最後、走馬燈が走るのでは駄目だ。
その瞬間まで生にしがみつく。
余計な感情。考え。惑い。躊躇。そんなモノは邪魔だ。
ヤリ切る。躊躇なくヤリきる。生存本能、闘争本能に従って喉笛を己が牙でかみ切る。
それだけが、生き残る意志で生きて帰ってくる為の力の源泉だ。
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火照った体にシルクのガウンを纏い、窓に身をさらす。
夜風が、雨の音に全身が包まれるのが気持ちいい。
窓の下、見下ろす街には家々の軒先にランタンが下がっている。無数の柔らかい明りを見下ろし、火酒を流し込む。
川には雨の落ちる模様が走り水面に映るランタンの灯りを揺らしている。
自分の股から流れてくる奴らのものが心地いい。生きている。必要とされている。
ベッドにはかわいい男達。替え難い特別な存在だ。
それが息も絶え絶え、シーツに伸びている。
かわいい男達だ。
袋も竿も何もかも全てが私のもので、その限り言うことをすべて聞く。
そうなった、そうしてきた。そう躾た。
生き残らせたい。なんとしても。
これしか知らない。生き抜く為の方法も。人と共に生きていく方法も。
死にたくない。生きて、食べて、生を感じて、それだけでいい。
あの男。。。。使いたい。この子達の為にも、手に入れなければ。
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「かぁっ!ああああっ!あ”あ”っ!」
『舌を出せ』
「ふぐうぅぅぅっぬねろぅ」
『出すぞ』
「ふぬーっぬぅーううううううーーーー」
『旦那似だといいな』
「ふっーーーーふぅっーーーーーぬうっーーーー」
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酒も煙草も辞めた。高血圧、高脂血、動脈硬化、に潰瘍性大腸炎。軽い脳梗塞の跡がいっぱい映り、腎臓には結石がキラキラと星屑のように輝いてる。
焼酎で客を観察し、各種のおべっかを使い、ブランデーで舌と財布を誉め、何とかビールで酔いを醒まし、シャンパンで客を愛人に押し付け、
帰るまで酒に付き合う。
タイ料理をつまみに唐辛子で気付けをし、トイレで指を突っ込み、焼き肉の余韻とレバ刺しのごま油で中和する。
泣いて、飲んで、吐いて、体を壊して、俺は生きてきた。
仕事のために。金のために。
客のタイやフィリピン、韓国人の愛人を誉め崇め、頭を下げ服従し、隣のテーブルのチンピラに土下座をし、盛り上げるため下半身裸でテーブルの上で踊った。
交通課の奴が取締り情報を流して業者から貰った商品券を高レートで現金化し
刑事課と生活安全の奴に飯と違法風俗をたかられ、偉くなる腰掛け署長豚にはワインと肉で情報交換会をし
2年毎に入れ替わる担当者に毎回心付けで自分の財布を痛める。
中央省庁に陳情の賄賂として県庁で予算計上してあるタクシー券を高額で買取り
市のオンブズマンの仕事が減るよう裏で話題を出して、働きすぎしないよう調整する。
馬鹿にされ顎で使われて、
学のない人間が、「事務営業職」でやってきたことだ。
生きていくために。
今俺は暴力を手に入れた。目立ちすぎず、金を十分に稼ぎ、旨いものを食べ、病気に怯えず生きていく体を手に入れた。
好みの女を抱き、酒を飲み、旨いものを食って、何が不満なんだ、、何が満たされないんだ。
ここでも、自分を特別に自分だけを特別に必要としてくれる、、、結局、誰の特別にもなれなかった。
もうこの街もいらない。
全部滅ぼされてしまえばいいに。
服を纏い、俺は部屋を出て寝床に向かった。
横たわる受付嬢は薬指に光る指をベッドからだらりと下げ、そのまま動く様子はなかった。
結婚式はもうすぐだ。幸せになればいい。今は心からそう思う。
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夜、雨が降り続けている。
他の音は聞こえない。
無の音に包まれている。
街街には灯りが灯っている。
人々が暖かく、それぞれ大切な人と思い想いの時を過ごしているのかもしれない。
尊いものだ。
俺には手に入れられなかった。
俺にも、あいつらにも、等しく降る、暗く冷たい雨。
今、この時が解放されている一瞬な気がする。全てから。
嫌なものから。
全部壊れてしまえないいい。
俺を俺だけを必要としない、モノなど全て。
俺のものでない全てなど滅びしまえばいい。
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