第七章
第七章 元凶が待ち受ける、幽界の階層その一
「こう明るいと、前に通った時とは辺りの様相が違って見えてくるな」
俺達が歩く山頂へと続く坂道は緩やかで、左右には背の高い樹木が立ち並ぶ。それらの木々と近くの上流から流れてくる川は、日を浴びて赤く染まっていた。
時刻は正午を過ぎているが、空に浮かぶ夕暮れのような太陽に傾きはない。
あれが人造のものなら、本物の方はどこに消えたのだろうか――? 残念ながら、その疑問に答えられる者は誰もいない。
ただ、前にここを通った時は、日が沈んだ後の暗がりだった。だから気付けなかったことも、今なら分かることがあった。
「おい、これを見てくれ。車が通ったタイヤの跡が残っている」
「ふむ、比較的新しいのと古いのも混じっているな。車を使うということは、恐らくは大蜘蛛一族の連中だろう。何度も往復する用があったということかな」
俺とユカリは屈みながら、地面に残されたタイヤ跡を手で確認してみる。タイヤ跡は一種類だけではなく、何台か別の車が通った形跡があった。
その内の幾つかは、ついさっき車が通って跡が出来たばかりのようだ。こいつらの行き先と考えていることは、俺達と一致している気がした。
もしその予測が当たっているなら、山上で俺達は鉢合わせることになる。当然、激突することになるのは必至だろう。
「大蜘蛛一族の狙いも、鬼神の本体だとすれば、奴らも手に入れているんじゃないか? 鬼神の肉体の部位のいずれかを」
「かもしれないな。神代カズマが鬼巌村の先住民なら、鬼神本体への足がかりが、あの肉体の部位であることは知っていておかしくはない」
俺とユカリは腰を起こし、これから向かう山上を見上げた。大蜘蛛一族に先を越されている可能性があることを危惧したのだ。
ただし、戦いが不可避なのは、予め分かっていたことでもある。俺が心配だったのは、この先にある物を先に奪われていないかということだ。
「急ごう、遅れると命取りになるかもしれない」
「うむ、それは私も同意見だよ。ところで、雪羅君は……」
俺とユカリは辺りを見回して、神代雪羅の姿を探し求める。すると、俺達二人がこの場に留まっていた間に、彼はすでに一人で先に進んでいた。
今やっと遅れているこちらに気付いたのか、振り返って片手を振っている。その脇には口から泡を吹いた鬼の頭を挟んで、絞め落としているようだ。
彼の足元にも、数体の鬼が息絶えて転がっている。どうやら俺とユカリがタイヤ跡を調べていた僅かの間に、襲ってきた鬼を排除してくれていたらしい。
「おーい、早く来ないと置いてくよー! 近くに鬼はもういないみたいだけど、念のために固まって動いてた方が良いと思うけどさー!?」
「分かった、すまない! 今、行くっ!」
俺とユカリは急いで神代雪羅に追いつき、再び三人で並んで歩き始める。しばらく歩き続けるも、鬼や大蜘蛛一族らからの襲撃はなかった。
ただし、地面に横たわる鬼達の死体だけが、進むごとに数を増していく。車に轢かれたものと、銃弾で頭などの急所を撃たれた死体がほとんどだった。
先に向かった大蜘蛛一族が、鬼達を抹殺して突き進んだ形跡なのは間違いない。そして一夜を明かした神社に、本当に鬼神の本体が封印されている可能性も――。
これだけの状況を見れば、段々と事実だと確信が強くなっていく。
「感じるな、私の身体に取り込んだ肉体の部位が反応しているよ。互いに引き合う引力みたいなもので、この先に引っ張られているようだ」
「なら、もうほぼ決まりだな。鬼神の本体がいるのは、山上の神社だ。神代カズマ達は、そこで目的を果たそうとしているに違いない」
「じゃあ、後は僕らがそこに到着すれば、役者は揃う訳だねえ。歓迎してくれるんだったら、僕らも派手に暴れてあげないとさ」
真奈美は誰かの声が、自分を呼んでいると言っていた。声の主が鬼神本体と仮定するなら、彼女も山上にきっといるに違いない。
そこまで考えて、俺はふと思った。鬼神に見初められたシャーマンが、その声に従い鬼神伝承を再現するというなら、もしかすると――。
「なあ、ユカリ。お前が取り込んだ肉体の部位の正体は、真奈美の前任だった鬼神のシャーマンじゃないのか? そう考えれば、辻褄が合うこともある」
「前任のシャーマンか。時の移ろいによって、真実が歪められて伝わった可能性も無きにしも非ずだが……。もし意図的とすれば、何か意味があるのかもしれないな」
「ああ、この仮説が確かだとするなら、あの遺体の生前の名前と正体を伏せて奉らなくてはならなかった理由があった可能性があるな……」
考えても推測にしかならないし、今は悠長に考えてる場合でもない。頭の片隅には置いておくとして、俺達は引き続き、山上にある神社を目指した。
やがてある程度、坂道を上ってくると、遠くから銃声が轟いてきた。更に断続的に唸り声もそれに混じって、聞こえてきている。
この先で戦闘が行われていることが、はっきりと伝わってきた。俺達は言葉で合図を出すことなく、弾かれたように一斉に走り出す。
「恐らく大蜘蛛一族と鬼達とが、交戦しているんだ! 俺達も、そこに飛び入り参加させてもらおうっ!」
「賛成だねえっ。全員をとっちめれば、それが最良だしさっ!」
俺と神代雪羅は意気投合し、競うように坂道を駆け上がっていく。ユカリもそんな俺達二人の後ろから、難なく追いついてきている。
「まったく……脳筋だな、君達は。まあ、空木君が追いついて来るまで、まだ時間がかかる。それまで出来るだけ敵の数を減らしておくのは、良い判断だ」
緩やかとはいえ、坂道を走っても疲れはなかった。むしろ、いい感じに身体が温まり、万全のコンディションに近づいていっているようだ。
暴獣化をするだけの余力は、十分にあることに安堵を覚える。ただ、それでも敵対する相手は、あの神代カズマや鬼神といった強敵達だ。
いざとなれば、無理して使わざるを得ない予感もあった。使い所のタイミングを見極める必要性を感じながら、手足を動かして走る。
そしていよいよ遠目ながら俺達の視界に、あの神社が見えてきた。案の定、そこでは戦闘が繰り広げられているようだ。
「やはり奴らと鬼がいるなっ! このまま突っ込むぞっ!」
神社を守るように立ちはだかるのは、ボロ切れのような衣服を纏った鬼の群れ。
それに対して挑んでいるのは、迷彩服を着た大蜘蛛一族達だ。彼らが正面から鬼達と戦い、神社と鳥居までの道を突破しようとしている。
鬼達はともかく、大蜘蛛一族達が何を言っているかここからでは聞き取れない。だが、何かを叫びながら鬼達に、発砲していた。
下手をすれば流れ弾に当たるが、銃持ちとの戦いなら経験済みだ。宗教集団に殺し合いを強要されていた時、その対応手段は嫌という程、身体に染みついている。
「おおおぉぁおあっ!!」
俺は、陣形を組む大蜘蛛一族達の背後から地面を蹴って飛びかかった。前方にいる鬼達ばかりに意識が向き、背後が疎かになっていた所へ乱入したのだ。
奴らの間で、動揺と混乱があっという間に伝播し、戦況が大きく崩れた。震える腕で発砲する者、戦況が読み取れず立ち尽くす者――反応は様々だった。
俺はその中の一人、及び腰になっている男の胸倉を掴み上げる。そしてこの場にいないカズマの居場所を聞き出そうと試みた。
「おい、吐け。神代カズマはどこにいる?」
「は、ははっ……首領代行なら、あの女の後を追ったよ。あの人は俺達なんかとは訳が違う、超越者なんだ。必ず目的を果たしてくれるはずさ」
「やはり真奈美も来ていたのか……。どこだ、どこにいる! あの二人はっ!?」
俺が胸倉を掴んで激しく揺らしても、男はにやけ顔で黙ったままだ。俺は、こいつらの覚悟の強さを知っている。
吐くくらいなら、自死を選ぶような連中だ。腰が引けていても、主人を裏切ることだけは決してしないのだろう。
俺は舌打ちして、男を蹴って突き飛ばす。そして地面に背中から倒れた男の顔面を、振り上げた足で踏み潰した。
「なら、もう訊かん。自力で捜し出すだけだ」
俺はそう吐き捨てると、また地面を蹴って加速する。その勢いを乗せて、別の男の顎を真下から拳で殴り上げた。
血を吐き、一撃で白目を剥いて倒れたそいつを踏み越えて、乱戦へと飛び込む。そこではすでに神代雪羅とユカリが、大蜘蛛一族達と奮戦を繰り広げていた。
「そらぁっ! しばらく見ない間に、不甲斐なくなったねえ! お前らさぁ!」
「う、裏切り者めっ……! お前こそ前首領の実子でありながら、同胞の俺達を国に売るとは恥を知れ!」
男からの侮辱の言葉にも、神代雪羅は微塵も戸惑いはなかった。ただ薄く笑いながら、腕を一振りさせて問答無用で男の首を圧し折る。
男達は数に物を言わせて襲いかかってくるが、彼は物ともしなかった。銃撃も、銃口に注意を払うことで回避し、間合いを詰めて一撃で屠っていく。
もう一方のユカリは、中指をまるで鋭利な刃物のように操っている。その中指で男達の額に突き刺して、喉を切り裂き、血祭りに上げていた。
「面白い戦い方だな、ユカリ。その中指、ずいぶん鍛え上げられているようだ」
「まあね、私は出来るだけスマートに敵を仕留めたいだけだよ。さっさとこんな前座は片付けて、次に進もうじゃないか」
隣り合って戦うユカリが、笑ってそう答えた。彼女が戦っている姿は初めて見るが、軽妙な動きで攻撃を回避し、一撃たりとも銃弾を受けてはいない。
彼女にしろ、神代雪羅にしろ、恐ろしく強い。これが真奈美が所属する特殊埋葬課の実力なのかと頼もしく思えた――が、同時に圧倒されてもいた。
「あんな戦いぶりを間近で見せられては、俺も負けていられないな」
二人の戦いに感化され、俺はつい笑みが漏れる。ただ、全力を出したいと思っても、すぐに張り合いたい気持ちを抑えた。
敵を押している現時点では、まだ暴獣化は使い所ではない。何しろ、まだ真奈美も神代カズマも、戦場に出てきていないのだ。
ここぞという時に使うからこそ、切り札には切り札になり得るのだから。
「おおおらぁぁっ!!」
俺は男の顔面にめり込むほどの拳を振るい、ぶっ飛ばした。拳に付着した血を腕を振って払うと、素の実力だけでも、十分に通用することを確信する。
見れば、さっきからの乱戦で、大蜘蛛一族は確実に人数を減らし始めていた。
鬼達もそれは同様で、もうひと頑張りで神社までの道が開かれることになる。チャンスだと思い、一足飛びに神社に走って向かおうとした時だった。
「ははははっ! 大蜘蛛一族万歳っ! 神代カズマ首領代行に栄光あれっ!」
突然、男が大きく叫び、その場に上着を脱ぎ捨てた。彼の上着に隠されていたその胴体に巻かれていたのは、無数のダイナマイトだ。
男はそれらにライターで火をつけると、神社に走っていく。そんな彼を鬼達は一斉に取り囲み、血みどろになるまで殴って、暴行を加え続けた――が、その直後っ!
爆炎が天へと、十メートルは高く舞い上がり、周囲にまでも広がる。彼を襲っていた鬼達はそれに飲み込まれ、バラバラの肉片となって飛び散った。
その余波は俺達にまで届き、爆風によって後方まで身体が吹っ飛ばされる。俺も神代雪羅もユカリも、地面をごろごろと転がり、負傷は免れなかった。
「くそっ……自爆とはな! どこまでも命を顧みない常軌を逸した連中だっ」
俺がうつ伏せで顔を上げると、鬼達の大半が今の爆発の餌食になっていた。その上、被害を受けたのは、あの男の仲間である大蜘蛛一族までもだ。
ほとんど全員が、巻き添えを食って地面に臥せっている。俺は辺りを見回し、神代雪羅とユカリの姿を探すと、俺から数メートル程、離れた位置で這い蹲っていた。
「だ、大丈夫か……神代雪羅、ユカリっ?」
俺はそんな二人の安否を気遣い、擦れた声をかける。どちらも生きて動いているようだが、額などから流血しているようだ。
そんな俺の心配を余所に、神代雪羅とユカリは平然と立ち上がってみせた。その上、服に着いた汚れを手で払う余裕まであるようだ。
「いたたた、やってくれたねえ。勝てないなら、相手もろとも自爆しろ。それが大蜘蛛一族の教育でさ、もう本能レベルにまで刷り込まれているんだよ」
「ふむ、命より任務が最優先か。この平和な現代日本に生きているとは思えない、時代錯誤な奴らだよ。国や一般市民からすれば、恐ろしい話だがね」
三人全員が五体満足なのは、運が良かったのか、身体が頑丈だったお陰か。他にもまだ生きている連中もいるが、爆発のために今この時、隙が生じていた。
鬼も大蜘蛛一族も散り散りになって飛ばされ、地面を這っている今ならば――あの神社まで、一気に駆け抜けられるかもしれなかった。
「ユカリ、目的地はあの神社で合っているんだな?」
「いや、どちらかというと、あの鳥居の方かな。私の中に取り込んだ肉体の部位達が、妙に引かれているんだよ。あの鳥居を潜ることにね」
「そうか、どちらでも今がチャンスなのは変わりない。走るぞ?」
俺が神代雪羅とユカリに確認を取ると、反対されなかった。むしろ、二人も同じことを考えていたようで、賛同してくれる。
「まあ、反対はしないな。私も同意見だからね」
「あの鳥居を潜ると、どうなるのかな。ちょっと面白い体験ができそうだよねえ。さーてと、それじゃあ、行こっか?」
そこから先は言葉はなく、俺達はほぼ同時に走って飛び出す。鬼達はその動きに反応し、地面に伏せながらこちらに手を伸ばすが、もう間に合わない。
妨害しようとする鬼達を跳躍して飛び越えて、瞬く間に鳥居の前まで迫った。だが、そこを潜る前に俺達は、直感的に異質な力を感じて一旦、立ち止まる。
その場で三人全員が、自然と鳥居の真上に取り付けられた神額を見上げた。そこに書かれている文字は、擦れてはいるが、鬼神殿と読める――。
「ここを潜れば、現世から別のどこか異界へ足を踏み入れてしまうような……そんな嫌な感じだな。前にここを訪れた時には、何も感じなかったのに不思議なもんだ」
「ふむ、真奈美君の仕業かな。鬼神の魂を宿した彼女が、最後の儀式を行うために閉ざされていた扉を開いた。その影響が残っているからなのかもしれないな」
あくまで直感だが、鳥居を潜れば後戻りできる保証はない気がする。鬼巌村を訪れてから、超常的な出来事を見続けてきた今だから実感できるのだ。
ここであまり時間をかけている訳にはいかないが、本能が二の足を踏ませてしまう。そんな戸惑いを見せていた時、突如として頭に鋭い激痛が走った。
「つっ……!」
あまりの痛みから、思わず後頭部を手で押さえた。それは一瞬のことだったが、頭にナイフを突き立てられたかのような鋭さだった。
しかし、振り返ってみても、現実に誰かから物理的な攻撃を受けた訳ではない。神代雪羅とユカリは、このことに気付いてもいない様子だ。
「何だったんだ、今のは……」
俺がそう漏らした時、再び鋭い痛みが後頭部に突き刺さる。だが、今度はそれと共に、脳裏に男の声が響き渡った。
『来たか、九条ヨミ。我が同胞よっ』
「お前、は……っ。神代、カズマかっ」
脳裏に轟くカズマの声は、更に続けて俺に語り掛けてくる。恐らく神代雪羅が言っていたこいつの異能、念波を飛ばす力によるものだろう。
『早く鳥居を潜って、こちらに来い。あの女を倒せるのは、天与の力を授かった私達だけだ。分かるだろう、同じあの地獄を生き抜いた者ならばな』
「では……いるんだな、お前もそこに」
カズマは、すでに鳥居を抜けた先にいる。それを今の口ぶりで悟った。そして真奈美を、その手で殺そうとしているのだと――。
鬼神伝承の再現によって得られるものを奪い取り、手中に収めるために。俺は頭の痛みを意思の強さで堪えながら、前に一歩を踏み出した。
真奈美を殺めようとしているなら、俺が何としても止めなくてはならない。あの男の声を聞いたことで怒りが再燃し、その考えがより強固に固まる。
「あ、ちょっと。行く気かい、ヨミ君?」
「ああ、俺が先に行く。あんた達も、様子を見てから後から続いて来てくれ」
俺は二人の返事を聞くより前に、地面を駆けて鳥居を突っ切る。瞬間、見えない何かが身体を通り抜けた気がした。
鳥居の先で足を踏んだ時、目の前に広がるのは、先ほどと違う場所――目も覚めるような不気味で、非現実的な空間だった。
手で触れると、足元の床は、石とも金属ともつかぬ感触と見た目をしている。奥へと続く道が一本だけあり、その左右には無数の樹木が立ち並んでいた。
天井と壁はなく、空には赤黒い太陽が浮かんでいる。その威容は言語を絶した。
「何だ、ここは……」
少なくとも現世ではない。この広大な空間が何かは分からないが、鬼神の肉体を封印するために用意された幽界なのかもしれない。
後ろを向くと、さっきの鳥居があるだけでそこに道はない。唯一、前方にだけ長く続いている道があるが、狭くて横幅がせいぜい五メートル程度しかなかった。
「参ったな……。ずいぶん気が滅入る場所だ」
俺は初っ端から、委縮してしまった。床の端に歩み寄って、腰を落として下を覗き込んでみても、そこには何もなく――。
赤黒い空間が、上も下も右も左も、果てしなく続いているだけなのだ。
神代雪羅とユカリの二人は、何をしているのか一向にやって来ない。真奈美を心配し、焦れた俺は不安な心を押し殺して、一人だけで先に進む決断をする。
「首を洗って待っていろ、神代カズマ。今、俺が引導を渡しに行ってやる。そして真奈美、俺がお前を救ってやるつもりだ」
俺は鳥居を後にして、前方に向かって一直線に繋がる道を歩く。全力疾走で体力を浪費する訳にはいかないため、最大限の速度で歩いた。
その途中、俺は自身の未来を占うべくタロットカードを一枚引いてみる。
嫌な予感がしたが、案の定、引いたのは逆位置の悪魔のカードだ。それは現状が上手くいかないことを暗示していた。
そして不吉にも示された生存確率は、かつてない程に低い。俺は否応なく、この先で待ち受ける試練の困難さを感じ取らざるを得なかった。
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