12. 湖水魚の詩

夢見た時間

グラスの外覗き歪む

ワインは何時飲んだのか

恋人たちは未来に逃げ

葡萄の雨は降らないだろう

半笑いの仮面をかぶり歌い踊る君を見る僕の唇ひらき言葉紡ぎ朽ちる


僕たちに詩はいらない

空のグラス叩き割り

とたん叫ぶそこにいます君は

桜の太陽!

星の花弁きらめきゆれおち

地焦がし胸打つ

水を知った湖水の歌

湖水を知った魚の詩

既にそこに在ったもの

ガラスが散ってきらきらり

――ひらひらり。恋。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

音律的アリア(現代詩) 存思院 @alice_in

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ