ハッピーエンド

@B-09

第1話 深夜のミス

暗闇のなか歩いているような不思議な気分、物干しに夫のベルトを結びつけ頭が入るように調節するのに5分くらいか。できました。人生終わりキット。後は首にかけてジャンプそれだけ。その時ふと思い出したのは同棲時代に一回リンゴに包丁を突き立てたあの日。そういやあの人はなんていったっけ。


「リンゴは大切に。あと人はもっと刺すの大変だぞ」


そういった。私の目も見ないで、ただ床に画鋲が落ちているときのように。

話を戻そう。つまり私は首に縄をかけ、この下らない生活からおさらばするためにあとはジャンプするだけなの。だからみなさんごめんなさいね?ここでさよならになると思うわ。

足を蹴りだしてジャンプ。

ずだどんっっそう聞こえた。私はお風呂場で腰をつき物干しをVの字に折り曲げた


「ふーん」

余裕なんてない。切羽詰まってる私からでる強がり。今回は失敗みたい。小さなミスはおこるもの耐荷重なんて把握してないもの、しょうがないね

人生初の自殺は失敗。え?何故死にたいかって?食事の味もしないわ、空も見上げられない、夜は徘徊者、朝は吸血鬼並みに日光が嫌いでね。ちょっと試したくなっただけ。

この話はそんなとこ。

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