(だから、私は)言葉を紡ぐ

@tonari0407

こころを込めて

 私は2022年4月7日から執筆を始めた物書きの初心者だ。


 執筆歴7ヶ月になった今でも、自己満足のために書く素人だからペンネームはない。

 執筆は1年続けるが、その後はわからない。

 今言えるのは、書くことは好きということだけ。


 これから私が置いていく言葉たちは、私が執筆の中で見つけた想いの羅列。


 それ以上でもそれ以下でもない。


 ただ、この気持ちをずっと忘れないでいたいから、ここに言葉を置いていく。



 *



 本作は私の執筆エッセイ3作目だ。

 1作目は『言葉を紡ぐ』。評価にとらわれず楽しく書きたいと思っていた。

 2作目は『(真摯に)言葉を紡ぐ』。向上心を持ったら苦しくなった。


 そして、この3作目は私が執筆の中で見つけた言葉を紡ぐ理由である。


『優しい』『温かい』そういったプラスの言葉で私の作品を表現して下さった皆さま、その大部分はきっと私じゃない。


 途中、悲しい話になるけれど、それでも良いという方だけ読んでいただきたい。



 *



 カクヨムの中で、私は自分のことを『へっぽこ』と表現している。

 それは本当のことだ。私はいつだって周りの人の優しさに支えられてきた。自分自身は何も持っていないのに、環境にも運にも恵まれている。

 度々躓く私に手を差し伸べてくれる人がいた。それこそ何人も、何度も。


 その中でも、私に宝物のような言葉をくれた方がいた。


「仕事よりも何よりも、自分を大事にして欲しい」

 この言葉を、私はいつも大切に胸に抱いている。


 その優しい方は私に言葉を贈った数週間後、自死された。

 前職場の同僚という関係性。訃報は社長からのメール。


「自分が病んだら意味ないんだからね」

「いつも頑張り過ぎだから心配」

 LINEを通じて贈られた言葉たち。どんな気持ちで書いたのだろう。


 身内を同様に自死で亡くしている方だった。

 残された人の気持ちを痛いほど理解していた。いつもお子さんのことを楽しそうに話していた。


 あれから1年が過ぎたのが信じられない。


 仕事の後に一緒に帰った電車。

 しばらく乗れなかった。乗れるようになっても最寄り駅は涙が滲んだ。寂しいけれど今はそんなことはない。


 思い出すと、視界がぼやけ胸が痛くなる。頭に浮かぶのは屈託のない笑顔だけ。

 決して忘れたくない。もらった言葉も温かい気持ちも。



 その後、私は身を削るほど頑張っていた仕事を辞めた。

 生きている私には、桜が咲く春が来る。儚くも美しい光景を複雑な気持ちで眺める空虚な日々。

 そして、4月7日。私は何となく「書いてみよう」と思い立ったのだ。


 初めは、自分の心のホコリを払い整理整頓するように

 次は、思いつきを楽しく自由に

 もっと気ままに、好きなものを、自己表現として――


 そうやって書き続けていた私が見つけたのは、自分の中の『罪悪感』。

 セットでついてきたのは『苦しむ人を減らしたい』という想い。


 いつの間にか、慈愛に満ちた人の代弁をするように言葉を紡いでいた。

 人の役に立ちそうなエッセイを書いていた。


 温かい感想をもらう度に、私の心は癒される。

 私は自分のために書いている。


 へっぽこな私でも、自己満足でも、できることはある。

 経験を、知識を、思い出を、優しさを、後悔を、罪悪感を、

 誰かに還元できるだろう。


 作品の中で、私が出会った方々の優しさは生きている。

 言葉は残る。

 人を救い、支え、宝物になる。


 だから、私は言葉を紡ぎたい。

 私が苦しいとき、悲しいとき、贈られた言葉たちがあのとき自分が感じたままに届くように。楽しく、真摯に――


 拙作を読んでくださった方への最大限の感謝を胸に、今日も私はこころを込めて言葉を紡ぐ。



 自分勝手な内容を不快に思った方もいると思います。最後まで読んでくださりありがとうございました。

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