カチ…カチ…カチ…

時計がこだまする。

漫画:異世界アニメを見る資格の原稿用紙を破った。

気持ち悪いから。


ここが現実。今おきた事が事実。

本当の編集長は、ゴミ箱を漁らないし、僕の漫画をべた褒しない。

なろう系の御都合展開に嫌気がさしてる癖に、いざそれを蔑むものを作ろうとしたら、人の事を言えない。


蔑まされた後になんの脈絡もなく評価されるなんて、なろう系と一緒だ。

そういうのが一番嫌いだったんじゃないのか。

結局自身でひょうかされたいわれたいという欲求が存在した。


抗えなかった。


それは、なろう系を作ろうとした人もそうなのだろう。

一緒なんだ。

そこに優劣をつけようとするからおかしくなる。

他の人がこよなく愛するものがあるように、自分に受け入れられないものがあって、当然なんだ。


けど、それと同時に、気に入らないと、排他し、その我を通すのだって傲慢だ。



醜いと思う感情自体が醜いのだろうか。


 カチ…カチ…


時計は動く限り価値がある。カチ…カチ…と価値をならしている。


…しょうもない。


だけど僕にとって、その時計の音は、時限爆弾が着々とタイムリミット鳴らしている音に聞こえた。

自分の傲慢さを責められているみたいに。

逃げなければ、殺される。


だから価値の無い僕は、


カチ…カチ…


価値カチ価値カチ無価値カッチ


停止ボールペンのしんをおったボタンを押した。


時計はそのまま、こだまする。

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異世界アニメを見る資格 干奧左海 @samurairoudo

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