第3話 思い出した!そこにあれがあったことを!

 一つ気になった事があるので、聞いてみる。

「MPって存在したんだ」

 MP存在するなら簡単な魔法使えたんじゃね?いや、まだ魔法つくてないから出来ないのは承知だけど…。

「それは俺が与えたもの」

「ほーん…。なら元々私はMPという項目すらなかったわけね」

 そうなんだけど…と、エピーが微妙な顔をした。

「お前は魔法力が高すぎるから、周囲の魔力を微妙に使えるんだよ」

「というと?」

「俺が魔力を与えてなくても魔法が使えるってこと」

「なら魔法使い放題じゃん」

「それがな、ユニークスキルは自身の魔力を使わないといけないっていう謎な決まりがあるからな」

 いらねえなその決まり!!

「…あ、じゃあ元々この世に存在する魔法ってあるの?」

「一応あるけど」

 その言葉を聞いた瞬間、私のテンションが一気に跳ね上がった。

「どんなのどんなの!?教えないと窓割れて家が崩れて夜しか眠れなくなるから教えて!」

「最後のは鉄板だな」

「冷静な突っ込み!!」

 そう言うと、ふいっとエピーは横を向いてしまう。

 …どうやら教えてくれなそうだ。くそ、こうなったら当ててやる!実は一つだけあてがあるんだよね~。ふふふ。

「…回復魔法でしょ?」

 そういった瞬間、エピーの眉がぴくッと動いた。

 おお、ばっちりぴったりパーフェクトってところかな☆

「忘れていると思ったんだがな…」

 ぽつり、とエピーが言葉をこぼした。


 *


 昔、小学校の帰り道で。

 足を怪我した猫が道端で倒れていた。

「みゃーん」

 か細い声を上げ、助けを求めていた。

 私は、どうしたものか、と思う。

 ぐおぉん、と、車が隣を通った。

「みゃおーん…」

 猫の声は徐々に弱くなっている。

 私が助けなければ、死んでしまうと思った。

 その瞬間、体中に黄緑の何かがぐるぐる回り始める。

「なにこれ…」

 どこぞのアニメ、漫画、小説で見て読んだような、【魔力】を感じ始めた。

 体中が熱を持ち始め、魔力が巡り廻る。

 初めての感覚に、テンションが上がりまくった。


 ――今なら、魔法が使えるかもしれない。


 言うが早いが、私はアニメを見ながら何度も何度も練習したように、手に魔力を集め始める。

 あの時感じなかった感覚が、今ならわかる。

 とくん、とくん、と心臓の鼓動がはっきりと聞こえる。

 手の先からひじのあたりまで、急速に強烈な熱を帯び始めた。

 少しヒリヒリするが、我慢した。

 そして――、

「ヒール」

 魔法の言葉を言い放った。

 手から光が飛び出し。猫に向かう。

 体中の力が抜けて、ガクッと膝をついた。

 猫は緑色の光に包まれて、足の傷がどんどん癒えていく。

 数秒後、元々傷があったところを猫がぺろぺろと舐めた。

「みゃおーん」

 猫は一鳴きし、茂みの中に潜っていった。

「もうケガするなよ…」

 安心したのか、意識が濁り始める。

 そんな中、機械的な声が頭に響いた。

『スキル【癒しのベール】を獲得しました』

 気絶しかけの私の頭に入るはずもなく、私は意識を失った。


 *


「覚えてちゃダメだった?」

「いやいいんだけれども」

「てかなんで知ってんの?」

「黙秘って認められてる?」

「認められてないけど?てかなんで質問を質問で返すの?」

「お前特大ブーメランだぞ?」

「ほらまた返したよ?」

「いつまで続くん?」

「さあ?世界が終わるまで?」

「スケールでかくね?」

「だめなん?」

「いいけど?」

「うん?」

「え?」

「…?」

「…」


 ~完~

 …ってわけではないぜ☆ここで終わったら困るもんね。

 そして私は思う(唐突)!なんかなーエピーがなーかわいくないなーどうしようかなー、と!

「なんだろな、背中に悪寒が、やなかんじ(エピー川柳)」

 そんなエピーを見ながら私は思い出す(いやマジ唐突)!そういや棚ん中に人形用の服があったことを!

 そうと決まれば実行だ!どっしゅ(ダッシュ)して棚に駆け寄る。

 ガチャってして、ズザッってする(察しよう)。

「あった!」

 見つけたぞ!フリフリのふわふわ!これをエピーに着せてやる!

「なんだろな、嫌な予感が、的中だ(エピー川柳パート2)」

 エピーが何か言っているように聞こえたけど、気にしなーい気にしなーい。

「さてエピーちゃん。逃げても意味がない事はわかっているね?」

「う…あ…」

「それじゃ!楽しい楽しいお着換えターイム!」

「や、やめ…やめろおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」


 ~数分後~


「よし!完成!」

 そこにはフリフリのふわふわのリボンだらけのエピーが。

「いやー。かわいくなったねぇ。さすが私のエピーちゃん♪いい仕事するわー」

「グッ…きつい…」

「いやでもかわいいよ?」

「俺あんまこういうの好きじゃないんだけど…」

「あ、じゃあ別の着る?」

「いえいいですこのままで結構です」

「ならよかった☆」

「………覚えてろよぉ」

 なんかエピーがものすごい顔でこっち見てる気がするけど気のせいかな☆

 そんなこんなで、特に発展もないまま一日目が終わった。

 さて!明日は待ちに待った待ちすぎた魔法創りだ!

 がんばるぞー!おー!

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魔法少女になりたい! なおにゃる@本命はなろうです() @nao-nyaru

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