折角の悪役令嬢ライフ、楽しむしかないでしょう?

Rdy

第1話「まさかの転生?笑うしかないでしょう」





目が覚める。






すると、見慣れない天井が視界に映る。







「ぁぅ、ぁぁ」






ここ、どこ、と言ったつもりが、喋れない。


まるで赤子のような声しか出なかったのである。


何故だ。








私はしがないOLの1人だったはず。


つい昨日まで、仕事をしていたはず。




なのに、



何故こんなところで、まるで赤子のような声を出しているのか…!?




「ぁいぁ」



なんで、



と言ったつもりなのだが…




すると、何やら初めましてな人たちが現れる。



一方は美しい金髪を高くお団子に結わえた上品な女性。

メイクも控えめで、明らかにお嬢様だ。



一方は少し茶髪で、威厳がありながらも優しそうな男性だ。

こちらもまた上品で、位が高そうである。



そして着ている服___



明らかに裕福だ。



豪華すぎる。


すると金髪の女性が喋りだした。



「あらぁ~~~!!」


「なんてかわいいのかしら~~!!!」



…??


何故この女性は悶えているのだ…??


そして男性の方も、



「それは俺達の娘だからな!!」


「かわいいに決まってる!!」



え…なんかテンションたか……


じゃなくて私ってこの人たちの娘ってこと!?!?


ガチの転生じゃん……



「あなたの名前は今日から、」





「テフォンよ」



「テフォン・イ・リルアール。」




次の言葉を聞いた途端、世界が静止した気がした。



「堂々と生きなさい」



男性…いや、お父様の言葉も今や全く耳に入ってこなかった。




なぜかって?



それはだな、




テフォン。


テフォン・イ・リルアール。



それは、「きゅんらぶ魔法学園!」という乙女ゲームの世界の悪役令嬢なのである。




~簡単なあらすじ~




ヒロイン←庶民


テフォン←庶民差別やばい


ヒロインいじめる


皇太子から婚約破棄言われる


エンド次第で…


国外退去or死亡!?!?!?




ということになってしまうのだ。



見てる分にはテフォンざまぁ見ろwwww



みたいな気分だったが、そのテフォンとなった今、顔は青ざめるばかり。



なら私はこのエンドをなんとかして回避するしかない!!!



だってどっちも嫌だから!!!!



じゃあ、




「ぁぅあぃえぃぅぁあぃぃぁぃぁぅぁあぅぁぃぁx(ry」




喋れない……(泣)



言いたかったのはだな……




「悪役令嬢ライフ楽しみながら、ついでにヒロイン落としちゃいましょう!」

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