読む者の死生観を問う

世の中なにが正しくてなにが間違ってるかなんてしょせんは多数決でしかない。個人でそれを決めるのは信仰心だ。ムイはムイの信じることをした。父も母も、自分の信じることをした。もちろん兄も、自分の信じることをしていた。全員が誰かを想ってしたことに正しいも間違いもない。死生観はひとの数だけある。その独自の死生観がわずか8300字で描かれている。たくさんの世界をつくってきた飛鳥休暇さんの短編真骨頂。