第23話 三角関係!?
あやかし仮面の正体は、
「ミサキ先輩。ごめんなさい」
「謝る必要なんてないよ。身体は大丈夫か?」
「平気で、す。ぐうっ」
ムリに立ち上がろうとして、苺谷くんはすぐによろめく。
「ゆっくり休みな。仇はわたしがとるから」
「死んでま、せん」
苺谷くんはなおも立とうとしたが、限界が来たようだ。仰向けになってしまう。
「寝てろ。先輩の言うことは聞くもんだ」
わたしは、魔女キテラと対峙する。
「さて、仕切り直しだ」
「そうね」
杖を支えに、キテラも爆風の中で立ち上がった。
「二人もろとも、あの世に送ってあげるわ!」
キテラが杖を構える。杖から、大量の火球を発射してきた。
「モードチェンジ!」
わたしはステッキを鎖付きのヨーヨーに変形させる。ヨーヨーを振り回し、盾代わりにした。
キテラが、火球の量を増やす。
火球を弾き飛ばしながら、わたしはキテラとの距離を詰めていった。
ヨーヨーの鎖が、キテラの杖に巻き付く。
杖を取り返そうとしたキテラに、わたしはカーフキックを見舞う。
ふくらはぎにダメージを受け、キテラが悶絶した。
ヨーヨーを戻し、キテラに投げつける。
だが、キテラは杖を念力で引き戻し、ヨーヨーを弾き飛ばした。返す刀で、わたしを殴り飛ばす。
キテラの標的が、苺谷くんへと変わった。杖を、苺谷くんに突き刺そうとする。
『やめて!』
だが、キテラの動きが止まった。
今の声は、リクくん!?
「なんだリク! 邪魔者を始末するチャンスなのに! 邪魔をしないで!」
虚空を見上げながら、キテラがリクくんに言い返す。
『ダメ! 苺谷先生は、殺さないで!』
「ゲーム世界の相談相手が、そんなに大事なの!? やっと正体を掴めて、とどめを刺す機会なのに!」
リクくんとキテラが、言い争いになった。
「これは?」
「やっぱり、キテラの正体はリクなのよ」
信じたくはなかったが、この事実は変えられない。
「あなたの身体を借りて現世に戻って、あとは魔法少女とこいつらハンターを倒せば、わたしは元の力を取り戻せる!」
『私は、苺谷先生が好きなの!』
盛大なカミングアウトを、リクくんはした。
『こんな私でも、先生は親身になって話を聞いてくれた。その先生を裏切るなんてできない!』「あんたの恋なんて、知るもんですか!」
なおも、キテラは苺谷くんに杖を突きつけた。
「リクくんの身体から、出て行け!」
わたしは、ヨーヨーを投げつける。
キテラの背中に、ヨーヨーが命中した。
「ぐはああ!」
キテラが、吹っ飛んでいく。
苺谷くんが、どうにか身体を起こす。
「魔女キテラ。覚悟を……」
彼の手には、短刀が握りしめられている。
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