第6話 ???視点

 ???視点


 俺は今日も今日とて机の上に山積みにされている仕事を死にもの狂いでかたずけていた。そう、していたはずなのだ。あの報告が来るまでは………













「はぁ……仕事すっぽ抜かしてぇ」


「ダメに決まってるじゃないですか」


「げっ…サーラ」


「こうなるだろうと思い来てみたのは正解でしたね」


「俺に休みくらい与えたって良いじゃねぇか!」


「貴方は休みすぎなんですよ!少しは真面目に仕事をして下さい!」


「くっ……こうなりゃ実力行使だ!」


「反論できないからって力で訴えるのはやめてくださいよ!仮にもここのなんですよ!?」


「仮じゃねぇ!本物ホンモンだ!」


 こうしていつものように毎日のように口喧嘩をしているとき……


「ギルドマスター緊急事態です!」


 突然ドアが勢いよく開き、一人の受付嬢が息を切らして立っていた。


「緊急事態とはどういうことだ?」


 流石の俺たちも緊急事態となったら真剣になる。


「冥界森林にてドラゴンが出現しました!」


「!……ランクはいくつだ」


「……分かりません」


「どういうことだ?」


「それが、今までに確認されていない竜なのでランクが測れないのです」


「とりあえず特徴をおしえてくれ」

「は、はい。確か悪魔蛇デヴィルスネークのような体に氷鰐アイスクロコダイルのように四足揃った足、水晶鹿クリスタルディアのような角が生えていました。そして………空を駆ける翼がなくても飛んでいました」


(全てB級以上の魔獣じゃないか!そんな竜がいるのか?混沌獣キメラならまだしも……それに竜の翼は魔力循環に必要な部位であり空を飛ぶためにも必要なはずだ。なら一体…………まさか!)


「……今は絶滅し、遥か昔に存在していたとされるいにしえにしてドラゴンの上位種……りゅう


「あの…ギルドマスター、とは一体なんなんですか?」


「これは俺の冒険者時代に偶々見つけた遺跡に記されていたことなんだがな……」


「急な昔語り…それ、長くなります?」


「短めに教えてやるから黙って聞け」


「はい」


「いいか、めんどくさいことは一度しか言わねぇからな。」


「文献にはな、かつてこの世界の頂点に君臨せし種族がいた。それが『龍種』だ。かの種族は個体数こそ少なかったが、強大な力を持っていた。その力は一夜にして三つの国を滅ぼし、一月ひとつきにして二つの大陸を焦土とかした。その力はすべての種族へ恐怖と言う感情を焼き付けた。まあ俺の知ってることはこんくらいだな」


「何それ怖い」


「だから今の報告がどれだけ異常か身に染みたか?」


「はい……あれ、ならどうして絶滅したんですか?」


「そこまでは知らん」


「使えないギルドマスターですね」


 受付嬢はそう言うと、軽くため息を吐いた。


「とりあえず1階の酒場にいるB級冒険者パーティーの『戦乙女ヴァルキューレの集い』を向かわせます」


「女だけで大丈夫か?それに今回はA級冒険者の『疾風のヴェルト』はどうしたんだ?」


「その言葉、戦乙さん達が聞いたら殺されますよ。ついでに言うと、ヴェルトさんは今朝ユグルへと出発しましたよ」


「………マジか」


「そういうことです。では私は行きますね」


 そしてサーラはこの部屋から出た。

「なんでまたこの忙しい時期によぉ…最近は魔獣共も活性化してきてるし…一体全体どうなってやがんだ、まったく…」


「だけどまずは、この山を片づけるか…ハァ…ギルマスなんてやってらんねぇぜ」


 そして俺は現実逃避をするかのごとく、珍しく仕事に打ち込んだ。もう一度言うぞ。珍しく、だ。


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こんばんわ、そしてお久しぶりです。紅華です。


 実は今日、やっと高校受験が終わりました!前話の投稿が12月10日なので約3ヶ月ぶりの投稿です。いやぁテストは特に問題なかったんですけど面接が……とりあえず漢検準2級と川柳秀句をとって市に表彰されたことを誇っておきました!


 それはさておき、これからは週3投稿をペースに、モチベがあればそれプラスで投稿していきます!実を言うと頭の中では3章までストーリーは出来てるんですよね、頭の中ですけど……それを踏まえて気長に頑張っていきたいと思います。(急にボイコットしないように頑張ります!)

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絶滅種の『龍人種』に転生したけど『現代武器』で気ままに生きる 紅華@くれは @takuwan0613

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