【訂正とお詫び】 「筆を擱く」の話

『NIHONGO-Ⅱ-』に、2023年1月に公開した「Column3 「筆が立つ」は字が上手い人のこと?」というコラムがあったかと思います。(下記URLです)

https://kakuyomu.jp/works/16816927862872059853/episodes/16817330649508927310


 そのなかで「『筆をおく』は『筆を擱く』である」ということを書いたのですが、再度調べてみたところ、辞書によっては「筆を置く」の表記がありましたので、訂正とお詫びいたします。申し訳ありません。


 まず、「筆を擱く」以外の表記を認めていた辞書をご紹介します。

『三省堂国語辞典 第八版』『岩波国語辞典 第八版』『旺文社 標準国語辞典 第八版』『三省堂 現代新国語辞典 第六版』の四冊です。


 Column3で私が「『筆をおく』は『筆を擱く』である」と書いた理由は、『明鏡国語辞典 第三版』『新明解国語辞典 第八版』『精選版日本国語大辞典』『大辞林4.0』の四冊の辞書の表記が「筆を擱く」だったことを確認したのちに、『デジタル大辞泉』に「筆を擱く」と言う項目で「『文章を書き終える。擱筆かくひつする』という意味で『筆を置く』と書くのは誤り」とあったからでした。

 その後漢字辞典も引き、「擱く」の意味に納得したため、『デジタル大辞泉』の意見をそのまま鵜呑みにしてしまった次第です。


 私が所有している辞書のうち四冊が「筆を置く」と表記されており、その内『三省堂国語辞典 第八版』に至っては「筆を擱く」=「筆を置く」という認識になっていることから、「『筆をおく』は『筆を擱く』である」と断言するのは不適切であると判断いたしました。


 誤った内容を提示してしまい申し訳ありません。

 一人で書いているので、このように精査が抜ける場合もございますが、もしよければ引き続き『ことば』を楽しんでいただけたら幸いです。

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