第30話 俺のクリスマスは秒単位でスケジュールが詰まってんのかよ!

前回のあらすじっ!

 玄関前の廊下で正座なう。理由は不明。以上っ!




「ねぇシロ、何で正座させられてるかわかる?」


「いえ、全く。一種のイジメだと思ってるくらいです」


(だって心当たりないもん!)


「まぁ、お兄ちゃんのことだから、わからないとは思ってたよ」


 なぜか納得される。


「ちょっとスマホ貸して」


「えっ!嫌なん……」


「貸して」


「はい」


(やめて!俺のことをそんな目で見ないで!上から見下されているから圧が半端ないんだって!)


 抵抗するが、穂乃果にスマホを取られる。


「まずはこの女か」


 そんなことを呟きながら、俺のスマホを触る。


 そして、スマホを俺たちの中央に移動させる。


 画面を見ると、涼宮香織の文字が見えた。


 どうやら、涼宮さんに電話をかけて、スピーカーにしたらしい。


 1コールすると…


『も、もしもし!シロくん!?さ、さっきのメッセージ見てくれたかな!?私は一日空いてるから……』


『胸がデカいだけの女、シロに近づくな』


『えーっと……誰かな?』


『ん、シロの恋人』


「違うわ!」


『え、シロくんに恋人……シロくんから付き合ってる人はいないって聞いてるけど……』


「いない!俺に付き合ってる人なんていないから!」


(何で俺は大声でこんなことを暴露してんだろう……)


『よ、よかった……じゃ、じゃあ、あなたは誰なの?』


『私はシロの幼馴染。さっそくだけど、シロはクリスマス、私と義妹の桜と3人でデートをする予定。だからシロとのデートは諦めて』


『なっ!そ、そんなこと言われたら、諦めきれないよ!』


『もう、決定事項。シロも了承した』


「待って!そんなことしてないぞ!?」


『シロくんが否定してるんだけど……』


『…………じゃ、私たちはこれで』


『待って!』


 電話を切ろうとした穂乃果を涼宮さんが止める。


『どうやら、シロくんとデートするためには、幼馴染ちゃんを説得する必要があるようだね』


『説得しても無駄だけど』


『連絡先を教えて!シロくんのスマホで通話し続けるのはシロくんに申し訳ないよ!』


『ん、仕方ない。シロに私の連絡先を送らせる。私はあと2人のメス豚に電話かけないといけないから、また後で』


 穂乃果が電話を切る。


「お、やっと終わったか。なら、はやくスマホを……って、今度は誰にかけてるんだよ!」


 俺の言葉をガン無視して、迷いのない動きで誰かに電話をかける穂乃果。


 画面にはミレーユの文字が見えた。


 1コールすると…


『シロ様!私に電話をかけてくれるなんてとても嬉しいです!』


 元気な声でミレーユさんが出た。


『お嬢様、大きな声を出してしまいますと、シロ様が驚いてしまいます』


 どうやらミレーユさんの側にリンスレットさんがいるようだ。


『すみません、シロ様。大声を出してしまって。シロ様からの電話が嬉しかったので……』


(待って、めっちゃ可愛いこと言われたんだけど!)


「お兄ちゃん、ニヤニヤしない」


「あ、すみません」


 桜から引かれました。


『貧乳女優。残念だが、シロはクリスマス、私と義妹の桜、3人でデートをする予定。だからシロとのデートは諦めて』


『…………………』


 穂乃果の言葉に、なかなか返答が返ってこない。


 しばらく待つと…


『すみません。お嬢様はショートしてしまいましたので、代わりにお嬢様のメイドであるリンスレットが対応させていただきます』


『ん、誰かわからないけど、シロはクリスマス空いてないから』


『1秒も空いてないのでしょうか?』


『ん、その通り』


「俺のクリスマスは秒単位でスケジュールが詰まってんのかよ!」


『わかりました。それなら、シロ様に睡眠時間を削っていただきましょう』


「えっ!」


『シロ様。お嬢様はクリスマスにシロ様と会えることを楽しみにされております。ちなみに、私もシロ様を揶揄う……ではなく、お会いできるのを楽しみにしております』


「今『揶揄う』って言ったよな!?」


『え、ゴムですか?安心してください。シロ様から頂いたエッチなゴムは私が大事に管理しております。なので、クリスマスにお嬢様とエッチすることは可能です』


「耳が腐ってんのか!」


(ゴムとか一言も言ってないんだけど!?)


「ねぇ、お兄ちゃん。エッチなゴムをメイドさんに預けたの?」


「ん、もしかして貧乳女優と……エッチなことでもするの?」


 桜と穂乃果から詰め寄られる。


「そ、そんなことするわけない……」


『はい。私にゴムの安否を聞いてくるくらいなので、おそらくクリスマスにエッチなことをすると思われます』


「うるせぇぇぇ!!!メイドは黙ってろ!」


 なぜかリンスレットさんが応える。


 俺はリンスレットさんが言ったことを否定しようとするが…


「ねぇ、お兄ちゃん」


「ねぇ、シロ」


「な、なんだ?」


「頭が高いんじゃない?」


「もうすでに正座してるんだけど!」


 玄関の土間で正座させられました。


『つまりですね。お嬢様とクリスマスにエッチなことをする約束をシロ様はされてます。そのため、25日の0時からでもよろしいので、お借りしたいと考えております』


『そ、そんなこと許可できない。そもそも、私はあの貧乳女優に電話をかけた。メイドに用はない』


『わかりました。では、お嬢様が復活された際に、お嬢様からシロ様に電話させていただきます』


『待って、それなら私の連絡先を送る。そこに電話して』


『かしこまりました。そのようにお伝えします』


 そこで電話が終了する。


「あ、あのぉ……そろそろスマホを返してもらっても……って聞けよ!」


 俺の言葉を再度ガン無視して、今度はミクさんに電話をかける。


『も、もしもし!真白くん!?』


『無駄乳にシロを貸し出す時間はない。クリスマスは家族で仲良く過ごして』


『ん?誰だ?真白くんじゃないな?』


『ん、私はシロの恋人』


「このやり取り、またするのかよ!」


『え、こ、恋人!?真白くんにはいないはず……』


「いないよ!俺に付き合ってる女の子はいないから!」


(俺は玄関で何を叫んでいるのだろう……)


『あ、真白くんの声が聞こえた。じゃあ、あなたは誰よ?』


『ん、私はシロの幼馴染。シロはクリスマス、私と義妹の桜の3人でクリスマスデートをする予定。だからシロを貸し出す時間はない』


『えっ、真白くん。それはホントなの?』


「クリスマスにそんな予定はない!俺のクリスマスは一日家で過ごす予定だ!」


『じゃあ、真白くんがウチに来ても問題ないな』


「えっ」


『ヒナー!真白くん、ウチに来れるんだってー!』


 ミクさんの言葉を聞いて……


『ホント!?真白お兄ちゃんウチに来てくれるの!?』


「いや、そんなこと言って……」


『あぁ。お母さんに豪華な料理をお願いしないとな』


「って聞けよ!」


『と、いうわけだから、幼馴染さん。クリスマス、シロくんを借りるな』


『くっ!とりあえず、この場だけ了承してやる。後で私の連絡先をシロに送ってもらうから、そこでゆっくり話す』


『あぁ、わかった』


 そこでミクさんとの電話が終了する。


「なぁ、なんで俺のクリスマスの予定を、お前らが勝手に決めてんだ?」


「シロ」


「ん?なんだ?」


「そうなった原因はシロが無自覚に女たらしを発動させてるから」


「そうだよ!だから、お兄ちゃんのクリスマスは私たちが管理するから!」


「え、俺、一日家でゴロゴロしたい………はい、ダメですね。わかりました」


 正座してる俺を上から見下してました。威圧を放って。


(俺のクリスマスはどうなってしまうんだろう……)


 本気でそう思った。


********************


作者です。


ここまで読んでいただきありがとうございます。


誠に勝手ながら、作者の都合上により、31話以降は『ノベルピア』という小説サイトに移行することとなりました。


続きの方も『ノベルピア』にて読んでいただけると嬉しいです。


今後も応援のほどよろしくお願いします。


※『ノベルピア』版では加筆修正を行っているため、続きは43話の『%♯$+❇︎’♭♯%❇︎$♭%』からとなります。

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少しの間、家から追い出されたら芸能界デビューしてハーレム作ってました。コスプレのせいで。 昼寝部 @hirunebu

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