女性の結婚適齢期は二十歳までであるという風潮が強いある国。二十四歳の美女、藍晶(らんしょう)が皇太子の妻となるため龍宮へと身を投じる。
主人公、藍晶は珠玉の姫君とまで称された美しい母親の面影を継ぐ美しい女性。
あるとき父親の策略によって皇太子の妻となるため、後宮の一角に設けられた『龍宮』で暮らすことになる。
いきなり後宮の権謀に巻き込まれ、夫なるはずの皇太子も何やら屈託ありげ。
後宮での暮らしに戸惑いながらも、藍晶はこれから繰り広げられる女性たちの戦いに覚悟を決めていくが……
舞台となる後宮の描写、様子がとにかく美麗で絢爛たるイメージが広がります。
藍晶の心理描写も丁寧であり、後宮の暮らしに戸惑う姿には共感を覚えます。
藍晶は飛ぶ鳥を落とす勢いの父親を持ち、美貌と優れた頭脳を有する才媛ですが、それらを鼻にかけることのない奥ゆかしい性格。
ですが、この後宮での暮らしで負けないぞ、という強さも秘めています。
年長者でありながら年下の世話係や妃賓に囲まれて困惑する姿も可愛いし、年下の皇太子に大人の余裕を持って対応するなど、非常に魅力的に描かれています。
これからの藍晶の活躍に期待大です!