第29話 刷り込み【2】

「大形恐竜の刷り込み?アミ!その子達が可愛くてボケた?今は可愛くても狂暴に育つかも知れないよ!」

「う~~ん……大丈夫だと思いよ?私の感だけど……」

「ラプトルの子が5匹育ってから、改めて判断して」


「あれ?3個玉子にヒビが入ってるぞ!」

「シルク!丁度良いジャミとヤミ呼んで来て!3人に刷り込み手伝って貰う!私はピーとビーの子育てで手一杯」

「う~ん…呼んで来る」


 豪快なシルクは面倒くさそう。

「でも巻き込むよ!」


 シルクがジャミとヤミを連れて来た。

「「ミア族長、雛の刷り込みさせてくれるって?」」

 ジャミとヤミは嬉しそう。

「玉子にヒビが入った、間も無く雛が孵る!玉子を一つずつ持って帰り各自刷り込みやって、母親になってくれ!私はピーとビー2匹で手一杯」

「「ミア族長、分かった」」

 ジャミとヤミは嬉しそうに玉子を抱えて帰った。

 シルクも一つ抱えて帰って行った。


 ピーとビーは賑やかに話してるのに、スピスピ気持ち良さそうに寝てる。



 あれほど面倒そうにしてたシルクが、雛にラップと名を付けてずっと抱いて過ごしてる。

 ジャミとヤミも「「私がかあちゃんよ!」」と言って可愛がってる。

 ジャミはトップって名を付け、ヤミはルプトと名付けてた。

 悔しいな、皆私よりネーミングセンス良い。

 ピーとビーではと、ピーコとビーコに改名したけど…ま、良いか私らしい命名だよ。


 ピーコとビーコは完全に私を親と思ってる、何処に行くにもカルガモの雛みたいに私の後をついて来る。

「ピーコビーコ」と呼ぶと「クピー」「グビー」と返事してくれる。

 あの話の通じない、狂暴なラプトルとは思えない可愛さだよ。

「あっ、ミア!見てラップ可愛いでしょ!」

「あのラプトルと思えない可愛さだね」

「でしょ!ラップ、ミア族長にご挨拶なさい」「ピーピ」「はいお利口さん」

 あのシルクがとろける様な笑顔でラップの頭を撫でてる。


 ジャミとヤミもやって来た、後ろをラプトルの雛がチョコチョコ着いて来てる。

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転生したら生肉喰らう原始人?いやぁ~~っ!! 犬時保志 @ysxyz

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