後書き及び裏設定



 初めましての方は初めまして。久しぶりの方は……いないかもしれませんが、紫静馬です。

 本日は『レイラ~名前の無い怪獣~』をお読み頂き誠にありがとうございます。


 久々の短編でかなり手間取りましたが、なんとか仕上げられました。結構変わった代物になりましたがいかがだったでしょうか。


 ご存じの方もおられると思いますが、この短編は宮塚恵一様の『第二回怪獣小説大賞』への参加企画となります。参加させて頂きここで改めて感謝申し上げます。


 本企画のテーマは『怪獣の呼称』ということでしたので、怪獣映画のファンである私としては是非参加したかったのですが、『怪獣の呼称』というテーマにどうするか考えさせられました。


 そこで、そのテーマを主軸に持って行こうと考え、最後に呼称シーンを付けることに決めたところ、本編にあるように「怪獣が自分だけ見える少女」と「名前が嫌いで名称を付けることを嫌う」という奇妙なキャラと展開が生まれました。自分でもひねくれてるとは思います(ぉ。


 というわけで大体の流れは決まりましたが、いざ書いてみると非常に苦労しました。やはり短編を書いてないブランクは大きく、非常に長々と書いてしまいました。当初は数千文字で済ませたかったのですが――自分の力量不足を恥じる限りです。


 で、結果完成したのはこのような不可思議な怪獣物と呼んでいいのか分からない奇妙な代物です。レギュレーションで弾かれるんじゃ無いかな……まあ、このおかしな雰囲気を書きたかったのでそこは成功と言えるのですが。


 以上いささか短いですが、後書きとさせていただきます。

 ここからは、本編ではあえて削ぎ落とした設定たちを記していくこととします。


 ――皆さん意味分かんなくて困ってるだろうし(ぇ




○怪獣


 怪獣としか呼称の仕様が無い、現存するあらゆる生物と似てなおかつ外れた異形の怪物たち。世界中に突如として現れ多くの被害を出した。正体は一切不明。

 人間が住む世界とは近くて異なる次元に生存しているらしく、普通の人間には見ることが出来ず写真に写った物も見えない。また怪獣からも人間たちの世界に干渉することは不可能であり、仮に怪獣たちが街を歩いても何の影響も無かった。

 しかし、後述のウイルスによって人間たちが怪獣たちを視認できるようになると、怪獣たちは混乱して暴れるようになり、人間たちへ干渉することも可能となった。




○ウイルス


 世界中で蔓延していたインフルエンザと思われていた病気。正体は宇宙から飛来した未知の病原体によるもの。このウイルスに感染すると、異なる次元に存在する怪獣たちを視認できるようになる。

 十年前、澪羅が遊んでいた廃校付近にウイルスが内包された隕石が落下、発見者である麗羅に感染し肺炎を発症させた。しかしこの時点では毒性は強いが感染力が低く、澪羅以外誰も感染しなかった。

 しかし、十年が経過してウイルスが変化し、毒性はほぼゼロとなったが非常に高い感染力を持つこととなる。廃校の取り壊しの際ウイルスがばら撒かれ、一年の時間をかけて世界中に広がり感染、潜伏期間を経て発症した。

 潜伏期間にある程度の差はあり、少しずつ怪獣の目撃談が上がるようになった。




○レイラ


 澪羅を食べた怪獣。澪羅の一番のお気に入りだった。

 鋭い牙と爪で街々を破壊し尽くして暴れる怪獣。全長の半分ほどある長い舌を伸ばして人間を捕食することもある。澪羅の国に最大の被害をもたらした。

 名称は、この怪獣が最初に食べたとされる少女が、何故か何年も前から怪獣の絵を投稿していたことがSNSにより発覚し、ネット上で呼称されていた『レイラ』が定着し政府もそれを正式名称とした。


 最後、どうしてレイラが澪羅を捕食したのか、また澪羅がどうしてレイラとして意識を取り戻したかは不明である。


 いずれにしろはっきり言えることはただ一つ。

 彼女は、また『レイラ』と呼ばれるようになった、ということだけである。

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レイラ~名前の無い怪獣~ 紫静馬 @shizumamurasaki

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