第2話 今日は
もう二度と見ることはできないけれど、きっとそれは残酷なくらい鮮やかなガーネットの色をしている。
あなたが亡くなってから、今日で四十九日。特別な日だから、私は今日あなたと同じように逝なくなる。
この命を絶って、あなたに逢いに逝く。
『今朝未明、××在住の××××さんが自宅浴室で亡くなっているのが発見されました』
最期を染めたガーネット。
私はその色がとても好きだった。
だって、その赤は生きている証の色でしょ?
だから、好きだった。
だから、最期の時間はその色に見送られて揺られたかった。懐かしい赤く染まったお湯の中で、静かに眠りにつきたかった。
久しぶりだね、×××くん。
あなたの最期も、こんな色で染まっていたのかな。
ガーネットに揺られて 犬屋小烏本部 @inuya
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