日々成長している男

 森の里キャンプ場事件を経てツリーレベルが6になってしばらく経った。

 現在の俺のステータスはこんな具合である。


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【Status】

 赤谷誠

 レベル:0

 体力 88,500 / 100,000

 魔力 40,105 / 100,000

 防御 100,000

 筋力 100,000

 技量 100,000

 知力 100,000

 抵抗 100,000

 敏捷 100,000

 神秘 100,000

 精神 100,000


【Skill】

 『スキルトーカー』

 『スキルエナジー』

 『スキルオーバードライブ』

 『完成体力』

 『完成魔力』

 『完成防御』

 『完成筋力』  

 『完成技量』  

 『完成知力』

 『完成抵抗』

 『完成敏捷』

 『完成神秘』

 『完成精神』

 『形状に囚われない思想』

 『くっつく』

 『筋力の投射実験』

 『第六感』×3

 『瞬発力』×3

 『筋力増強』×3

 『圧縮』

 『ペペロンチーノ』×4

 『毒耐性』

 『シェフ』

 『スーパーステップ』

 『浮遊』

 『めっちゃ触手』    

 『筋力で金属加工』

 『手料理』

 『放水』

 『学習能力アップ』

 『熱力学の化け物』

 『転倒』

 『足払い』

 『拳撃』

 『近接攻撃』

 『剣撃』

 『ハンバーグ』

 『聖属性付与』

 『闇属性付与』

 『黒い靄』

 『膂力強化』 

 『再現性』

 『遠隔攻撃強化』   

 『触手生命体』    

 『菜園』       

 『ハンバーガー』   

 『覇王の構え』    

 『示現解放』

 『自己復元』

 『マッサージ』

 『脚撃』

 『粘液』

 『静電気』

 『赤スモーク』 

 『セグウェイ』

 『ベタベタ』

 『もうひとつの思考』

 『』

 『』

 『』

 『』


【Equipment】

 『スキルツリー』

 『蒼い血』

 『重たい球』

━━━━━『スキルツリー』━━━━━━

【Skill Tree】

 ツリーレベル:6  

 スキルポイント:3

 ポイントミッション:完了

【Skill Menu】

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 変なスキルから使えそうなスキルまでいろいろ増えた。

 すでにツリーレベル6になるために取りこんだキモイクルミに収められていたスキルをすべて解放し終えたからである。


 あとは多少、スキル合成も行った。『スキルエナジー』で『スキルの種』を生成するにはスキルポイントが30ポイントも必要なので、気軽には使えていないが、ツリーガーディアンを倒したおかげか、スキルツリー君が実をつけていたのでそれを使ったのだ。


(いっぱい経験値をもらえたから喜びを感じます)


 スキルツリーくん、いやスキルツリーちゃんも喜んでいた。

 脳内に響く声が高めなので、声を聴くと、おのずとちゃんづけしたくなる。


「俺の経験値を勝手に吸ってるんだ。ちゃんと実をつけてもらわないと」


 こちらから話しかけても返答はない。

 都合が悪くなると口を閉ざすとは。

 なんて薄情な同居人なのだろう。


 でも、『スキルの実』を3つも実らせたのでよしとする。

 3つとも使って、次の新スキルたちを既存スキルを合成して生みだした。


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『スーパーステップ』

アクティブスキル

ステップ移動を大きく強化する

【コスト】なし

この足捌きについてこれるか

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 『スーパーステップ』はお分かりの通り、『ステップ』×2の合成。

 この合成はうまくいった。完全な上位互換として機能している。性質の変化は特にない。


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『熱力学の化け物』

アクティブスキル

極めて高温を纏う

【コスト】MP300

熱素は存在する

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 これがなんの合成かお分かりか。

 そう、その通り、『温める』4兄弟がついにひとつになったのです。

 あまりに数の多かった彼らがひとつになり、ずいぶんメモリに空きができた。

 しかし、その性質は変化してしまった。まだ熟練度が浅く、運用も詰めてないが、メリットあり、デメリットありというのが現状の評価である。


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『めっちゃ触手』

アクティブスキル

触手をめっちゃ伸ばせるようになる

【コスト】MP 300

触手たちの逆襲

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 特に言及することはない。

 射程は伸び、伸縮速度も速くなり、パワーも増した。

 触手界のニューウェーブ。


 合成スキルたち以外にも、新スキルをたくさんスキルツリーから受け取った。

 とてもとてもそれらを使いこなせてはいない。


 俺の日々は鉄球の操作技術と金属加工に向き合い、格闘術と剣術をかじりながら、疑似ダンジョンでポメラニアンを消し飛ばし、アルバイトをして終わる。新スキルの練習も気まぐれにしているが、あまり時間はかけれていない。


 目下の課題は森の里キャンプ場の少し前に『筋力の投射実験』という、それまでのスキルの使い勝手を変化させる事案をかかえて、さらに雨男との不慮の遭遇で、俺の練度不足が露呈したことだ。

 だから、『筋力の投射実験』の練習をもっと詰めるべきだと思ってたし、変化したバランスの分、ここしばらく既存のスキルたちの運用の精度をあげることを目的としてきた。


 遠距離、近距離の戦闘能力でいえば、格闘や剣をおさめるほど、近距離戦闘で役立つスキルを効果的につかえそうなシーンがおおい。一長一短ではあるが、『重たい球』で作りだした武装で近接攻撃をくりだせば破壊的なダメージを叩きだせそうなので、将来的に思いはじめてもいるところだ。

 

 ちいさくまとまっていたところへ、新しい風を吹き込む作業を久々に行おうと思う。

 その最初の改革は『再現性』からだ。


 もっともすでにこのスキルの活用については、ずいぶん思慮深くあたっているのであとはシミュレーションを現実でおこなえるのか、一枚ずつ丁寧に衣をまとうように辻褄をあわせる。


 俺が『再現性』のために『もうひとつの思考』を求めた最大の理由は、リソース理論にある。このスキルには多くの可能性がある。だが、いずれも高度な戦闘中におこなうには脳の処理領域を圧迫しすぎる。平時で落ち着いている時ならまだしも、先日の雨男や、志波姫などの、格上相手にした場合、意識をさきすぎれば、運動能力や反応速度に影響がでて、結果的に状況が悪くなることが想像できた。


 だが、うまく使えば、逆にこれはリソース理論におけるひとつのズルとして活用できるとも気が付いた。

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