第1話 興味がある世界へ転移して新入の魔王で偽装する。


 小説の第1話では、代行者を創造した主人公と代行者の間の会話が存在しないため、小説の内容に関する全体的な理解を目指す読者は、まず第1章のプロローグを優先的に読むことをお勧めします。


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 未知の領域 - 謎の場所



 代行者が去った後、私は静寂が流れる宮殿の中、神聖な玉座に座ったまま一人思いに耽っていた。



 つい先ほどまで代行者と交わした対話の内容と全体的な状況を、もう一度綿密に把握する必要があると考えていた。その結果、脳裏に今なお漂っているような感覚が持続していた。



 あいつの微妙な反応、そして自分が見せた態度まで。いつもなら、そこまで気にならなかっただろうに、今日に限ってそのすべてが妙に気になるのだった。



 実のところ、現在までのすべての状況は、私自身が仕組んだ脚本も同然だった。最近私は、自分が創造した領域の外に出てみたいという考えを抱くようになっていたのだ。初めはただの小さな好奇心だったが、時が経つにつれてその思いはますます大きくなっていった。



 そしていつの間にか、私にとって今までの日常は退屈の連続になってしまっていた。代行者を創造し、彼にすべての業務を任せてから、これまでにないほど快適にこの場所で時間を過ごしていると思っていたが、私自身の内面に次第に吹き込む変化の風を阻むには、何をもってしてもどうにも力不足なのかもしれないと思ったのだった。



 そうして私はある決心をするに至った。それは、余暇を名目とした「旅行」に出ることだった。自分で作り上げた枠組みから一時的に抜け出し、新しい経験と刺激を求めて旅立つこと。それは、「私」という存在の長い歴史の中で初めてのことだと言えるだろう。



 そこで私は、自分の旅行計画を綿密に設計した。旅行を計画している最中、偶然にもやや興味のある世界を発見することもあった。その世界に入る過程と、自分の正体を隠して自然にその世界に現れるために、必要なあらゆる措置を講じた。身分を偽装し、自分の姿を変えることはもちろん、世界の記録さえも巧妙に書き換えてしまった。そしてその準備がすべて終わった後、私は代行者を呼び出し、自分の計画を宣言したが、詳しい内容は語らなかった。



 鏡を見ているわけではないが、私の顔にいくらかの表情の変化があるのかもしれない。また、代行者の당惑した反応が目の前に浮かんだ。きっとあいつは、自分の主人がなぜ突然こんな決定を下したのか不思議に思うだろう。だがそれは重要な問題ではなかった。最も大切なのは、これから始まる私自身の旅でなければならないのだ。



「あとは、明日が来るのを待つだけだな」



 私はワインを飲みながら、誰にも聞こえない空間で独り呟いた。



 その後、私の宮殿での一日が過ぎ、私の世界旅行計画を具体的に実現すべき時が訪れた。



 今日になってようやく計画を実行に移すのは、私が訪れるその世界に限って新たに創造される迷宮を所有する新米魔王が無数に誕生する記念日だからだ。そして昨日は、その世界の内部に位置する適切な場所に新たに100階ほどの迷宮を設立し、その中に私が新たに住まう宮殿と迷宮のコアを事前に設置しておいた。



 長い時間を共にしてきた宮殿を離れるのは、決して容易なことではなかった。しかし私の内面では、新しい可能性を追求することへのときめきが湧き上がっていた。興味深い世界、そしてその中で繰り広げられる無限の可能性がある。私はその考えに、いくらか期待しているのかもしれない。



 すべての準備が完了したと思ったとき、私は未知の能力を使って、余暇を過ごそうとしているその世界の最初の目的地に向けて瞬時に移動した。



 そして迷宮内に創造された宮殿の中にある玉座の間に設けられた玉座に座り、外の世界を訪れた記念としてワインを飲みながら、こんなことを考えた。



「私が訪れたこの世界で、もしもの事態が発生した時に適切に対処するためには、世界について必要な情報を収集したり、直接修正、編集したりできる能力を持った協力者が必要だと思う」



 しかし、いなくても大した問題にはならなかった。なぜなら、自分の能力で解決できないことなどないに等しかったからだ。それでもなぜか、この日については少し記念すべき日だと思いたかった。



 そう考えた私は、自分の指をはじきながら、持っている創造の権能を使った。



 指をはじく音に合わせて、私の目の前の適当な位置で眩いばかりの光が溢れ出た。その光はまるで生命体になったかのようにうごめき、やがてひとつの形を作り出した。長い髪を持つ女性、いや女神と言ってもいいほど美しい佇まいをした存在が、光の中から姿を現したのだ。



「私を創造してくださり、光栄です。創造主様」



 女性は柔らかな声で言い、創造主の前に恭しく膝をついた。



 創造された存在を確認した私は、その女性に告げる。



「立ちなさい。私はあなたに名前を与えましょう。これからあなたはCosmiaです。この世界を管理し、私を補佐することがあなたの任務です」



「ありがとうございます、創造主様。与えられた使命を忠実に果たします」



 Cosmiaの答えが終わるやいなや、彼女の体を包んでいた光がさらに激しく燃え上がり始めた。まるで無限の宇宙の星明かりを集めたかのように、その輝きは目がくらむほどだった。



「これでおまえは『世界の万能管理者』になったのだ」



 私の言葉と共に、Cosmiaの姿が完全に変わった。ひらひらとしたドレスの裾、優雅に流れる銀色の髪。そして何より彼女の瞳から放たれる叡智と権能の気配。それは単に美しいという言葉では表現できない、畏敬の念すら抱かせる姿だった。



「そして今日から、私は『Pontenomaire Kantinof』としてこの世界で活動することになる」



 創造主、いや今やKantinofという名を名乗ることになった私が言った。



「もちろんです、Kantinof様。あなたの旅路には、私がいつもご一緒します」



 Cosmiaは微笑みながら答えた。その微笑みは、まるで宇宙のすべての秘密を秘めているかのように、神秘的で魅惑的だった。



 彼女の答えを確認した私は、自分の玉座にもたれかかって座ったまま、意味深長な言及をする。




「世界の理を新たに紡ぎ出すこの旅の始まりとともに…創造と破壊、そして変化の境界を行き来する彼方の果てには、いったい何が待っているのだろうか?」



                          - Pontenomaire Kantinof -













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