「ネットde真実」と「オールドメディア」
※今回の内容は全て個人の推測と感想です。学術的な正しさや裏付けされた真実などどこにもありません。最後は与太話です。
……
「ネットde真実」
という言葉は蓮舫氏が初出なわけではなく、いわゆる「2ちゃんねる」が健在していた頃から存在する言葉です。なので、別に真新しい言葉でも概念でもなんでもありません。
今はネットニュースにもSNSを介して意見が交わされる世の中ですが、昔は2ちゃんねるのスレッドをまとめたブログサイトのコメント欄で意見が交わされることも多くありました。「まとめサイトをまとめたサイト」のようなものもあり、自分もわりとよく見ていました。
元々が匿名掲示板に書き込まれた意見なので、かなり有象無象なコメントが飛び交う空間でした。固定ハンドル(今でいう「ユーザー名」)もなければ他人に成り済まして主張を重ねることもはるかに容易な時代です。
そういうわけで、昔はただでさえ素性のわからない人が真偽不明の情報を書き込んだところで、ごく一部の人しか信じないようなケースが多かったと思います。
ところが、Yahooブログ、アメーバブログ、mixi、モバゲー、Twitter、Tiktok等、ネットの普及とともにユーザー名ありきのSNS(すなわちネット上における「個」の確立)も普及すると、真偽の程度はともかくセンセーショナルな噂や情報を利用して継続的に意見する人が増えてきました。そして、そうした人たちの意見はしばしばそのコミュニティで対立や論争を巻き起こしました。
そういえば、昭和中期から平成中期あたりに生まれた人って、子ども時代はテレビで得た情報や、ゲームの裏技をクラスの誰よりも早く知って友だちに教えることがある種のステータスだった気がします。でも、中にはバグが発生してゲームのデータが破壊され再起できなくなるガセもあったりして、信じることによるリスクは当然ありました。
今、そういう側面はSNS(主にX:旧Twitter)と動画サイト(主にYouTube及びTiktok)に集約され、とりわけ政治や経済、国際情勢に関する陰謀論等の流布が目立ってきており、コミュニティ外への拡散も容易になっています。(単に「そう感じる」だけの表明も、重要な真実として針小棒大に受け取る人もいる)
すなわち、真偽不確かな情報を鵜呑みにし、リスクを顧みず信じてしまう者を揶揄するネットスラングのこと、それが「ネットde真実」という言葉です。
話は変わって、「ネットde真実」という揶揄に対抗する人々から発せられている言葉が「オールドメディア」です。
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「オールドメディア」
「オールドメディア」とは、新聞、テレビ、雑誌などを筆頭として少なくとも戦前から今日に至るまで主流である主要メディアのことを指します。
これらは大資本によってその地位が約束されており、旧態依然とした既得権益層を守るために働きかけているという見方がされています。すなわち、既得権益層におもねった情報しか流さない、というのが大方の見方のようです。
そうしたオールドメディアにも、「ネットde真実」と同様に様々な問題点はあります。というよりも、「ネットde真実」の大元はセンセーショナルな見出しを付けたり過激な内容だったり、疑惑段階でしかないものを犯人と断定したり……などありました。(袴田さん事件などは、当時そうした報道をしたメディアのいくつかが無罪判決のあと謝罪記事を報じていましたね)
また兵庫県知事選にちょっと話を移すと、不思議なのが、どのオールドメディアも基本的に「彼に疑惑がある」という体で報道しており、決して齋藤氏は絶対にクロであるという報道はしていなかった印象がします。なので報道の仕方としては根掘り葉掘り穿った見方をするのは当然ではあります。それが「不当に攻撃されている」と受け止めた人が多い(全てではなく)のは「事実」だと思います。
その上で、公益通報の内容について百条委員会で真実相当性があるのか否か明らかになる前に、不信任決議で知事選へと至ったことによって百条委員会は休止してしまいました。
結果、百条委員会で最重要問題であった「公益通報の真実相当性」の判断は一旦横に置かれてしまい、既に職員アンケート等で明らかになっていた「パワハラ疑惑」というものに報道の内容を切り替えざるを得なくなったと思うんですよね。
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2003年のイラク戦争の開戦理由が「大量破壊兵器がある」という判断に基づいたものであったのに、けっきょく大量破壊兵器などなかった(そもそも「大量破壊兵器(Weapon of Mass Destruction)」なる言葉が婉曲表現でミサイルなのか核なのかも客観的には曖昧)というのが、個人的に強く印象に残っています。
たったひとつの真実でも信じたいものでもなく、小さな客観的事実の断片を拾い集め正確に繋ぎ合わせて判断する必要があるのかもしれません。そしてその断片は、なにかの番組やどこかのサイトにまとまって存在するものではないと思います。
よくわからない議論に悶々としながら巻き込まれるより、結論や答えを急いで楽になりたい気持ちはわかりますが。
……
ところで自分は「氷河期inお茶の間」(家族団欒しながらテレビなどを見ている際、ふとドラマなどで流れる気まずいシーンによって居た堪れない雰囲気になること)というネットスラングが好きなのですが、もしかして「ネットde真実」という言葉を作った人と同一人物なんでしょうか。
葉のうらのプレアデス 籠り虚院蝉 @Cicada_Keats
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