田中の冒険
@tuyumodoki
第1話 田中
男は鏡の前にいた。
何故か鏡の前に立っていた。
しかし彼自身も何故鏡の前に自分が立っているのかわからない。
というか記憶がなかった。
自分の名前も生まれも何もわからない。
しかし、そんな彼でも一つわかっていることがあった。
それは自分が田中だということだ。
自分が田中だということだけはわかるのだ。
田中が何か彼は知らない。しかしそれでも自分が田中という存在だということはわかるのだ。
ふと田中の頭にある考えが浮かんできた。
「寝よう」と。
そして田中は寝た。
田中の冒険 @tuyumodoki
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