第6話 魔界へ!!
『深夜、突如、アルフレド城は
青い炎に包まれ、
今もなお燃え続けている。
城に取り残された
王子サーシャの安否は
今のところ確認されていない。』
寂れた田舎町の居酒屋。
ルーナは新聞を
ペラペラとめくった。
「サーシャは
きっとまだ耐えてくれるわ。
ねぇ、トリノ。」
キュルキュル~ッ
妖獣トリノはルーナの言葉に
うなずいた。
サーシャの中にいる悪魔は
まだ人に危害を加えていないのだ。
ルーナは、居酒屋の隅の
ベットで眠っている姉レベッカを
ちらりと見る。
もしかしたらレベッカが、
最後にサーシャに
魔法をかけたのかもしれない。
ルーナは
心配になって、
姉の息を確認する。
だいじょうぶ、生きてるわ。
レベッカの顔は真っ白で
生気がなかった。
キュキュ。
トリノも心配よね。
ルーナには
サーシャ、レベッカとは違い
魔力がまったくなかった。
魔力がある二人には
トリノの言葉がわかるらしい。
トリノの言葉は
いつか分かるようになりたいなぁ。
私達でサーシャと
レベッカを助けようね、
トリノ。
魔力のない私が、
亡き母に頼まれたのだ。
レベッカが望むなら
レベッカを逃してあげられるように。
「サーシャのお母様に会いに、
魔界に行こう。」
双子の妹が元婚約者と結婚するみたいです。 皐月ふう @fuchan22
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