第5話 半分魔族
深夜のアルフレド城は
大騒ぎになっていた。
メイドの一人、リンは
信じられない思いで、
サーシャ王子の部屋を見つめた。
サーシャ王子の部屋は、
青色の炎で包まれ、
じりじりと燃えている。
結婚式の前の日に
突然いなくなったサーシャ王子。
サーシャ王子は、
今日の朝、
城の前で倒れ込むように
眠っていた。
そこから一度も目を覚まさず、
サーシャ王子は眠り続けていた。
いつもサーシャ王子に
寄り添ってくれていた
婚約者のルーナ様は
何故か姿を消している。
少し前、
ドンッッ
という大きな音で、
城中の人間が目を覚ました。
「サーシャ王子の部屋が
燃えているぞー!!」
騎士の一人が、
そう叫んで回っていた。
王や皇太子を含めた
ほとんどの人間が、
城の外に逃げ出した。
サーシャ様を除いては。
「消化しろー!!
城が燃えるのを防ぐのだ!!」
皇太子の指示で、
騎士たちがサーシャ様の部屋に、
水を放水する。
しかし、
水に触れると
炎はより大きくなり、
サーシャ様部屋から
少しずつ燃える範囲を拡大している。
きっとこれは普通の火事じゃない、
誰もがそう思っていた。
騎士達の必死の放水にも関わらず
火は少しずつ燃え広がり、
ついには城全体が
火に飲まれた。
皇太子が悔しそうに叫んだ。
「サーシャだ!
これはサーシャのせいに違いない!
あの半魔族の
クソ野郎が、
この火事を起こしたんだ!!!」
この国の第3王子サーシャ様には、
半分魔族の血が流れている。
城の人間の多くが、
サーシャ様を恐れていた。
「レベッカ様がいれば
こんなことには、、」
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