根差して土の上に咲く

有未

根差して土の上に咲く

イントロから心を掴んだ者勝ちだと君が歌っていた

さよならの数だけ出会いがあったはずだと君が言っていた

振り返るたびに思い出は美しくなるものだと君が話していた




本当のことが分かる時に人が成長するとて

本当のことに全ての人が耐え得るとも思えず

喜びを数えるよりも悲しみを数えて生きて来た自分には

嘘の言葉の方が奥底に根差し光浴びていた




君が笑っている時にその痛みに気が付かなかった愚鈍な自分が

今更ながらにその痛みを知ったとて

何をどうしたら良いかも分からず

不正解しか導き出せないのだと知った




君に差し出す言葉ひとつ浮かばない自分の存在意義は何だろうと

心の中で繰り返し繰り返し問う

大切なことひとつ抱いて生きて来れば良かったものを

後悔を織り直し織り直し君の隣に立つ




簡単なことなど何ひとつないと分かった今日

自分に出来ることなどささやかなことと知る

ただただ君の隣にいることこそ

小さな自分の祈りに代わる




昨日から続く今日と

今日から続く明日と

君の手から繋がる心の先を思い

言葉ひとつ飲み込んで

ただただ君の隣にいる




君に降るものが愛でありますように

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根差して土の上に咲く 有未 @umizou

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