第80話 最新二作の所感

 プレビューが千回を超えた。勿論自慢などにはならない。超えたという事実のみだ。上には上がいっぱいいる。単に僕の中での節目として言っているだけだ。そして特にコンテストに出す気もないこのエッセイでのことなので、僕にはなんのメリットもない。点数化も数値化もされない。でも皆さんがこんなどうでもよいおじさんのお話を読んでくれることが嬉しいゆえの報告である。


 さて僕の中では少しだけカクヨムさんのお祭りも小休止かな? 僕にいたっては、一応わずかに参加はするが、特別なことはせず、いつも通りの単なるアップと書き込み作業を行っているだけである。さほど星マークに執着も無く、良いと思えば「いいね」を頂ければ素直に感謝、有り難いと思うのだ。自分もそうしている。自分の作品が好かれるのが嬉しいのだ。書いた甲斐がある。それ以上は望んでいない。側から見れば、みんなが楽しそうなのが嬉しい。


 さてタイトルのお話。先月末から今月初めに二作品の神明社のシリーズをアップしている。どちらも続編だ。ひとつが『三日月が似合う神明社-恋と御縁の浪漫物語・足利編-』「梢子が思い出の織女神にあずけた鍵」であり、もうひとつが『芋串フライと蔵の街の神明社-恋と御縁の浪漫物語・栃木編-』「真名子の幸せと道の駅」である。


 前者は足利の石鯛酒造の沙織の兄である石鯛縞五郎いしだいしまごろうのお話、後者が会計事務所勤務の三馬亜佐美のいとこである三馬真名子さんままなこの話である。

 まずネーミング。石鯛縞五郎。僕と同世代のかたは覚えている方もいるかも。『おしいれのぼうけん』なんかと並んで、小学生の時の夏休みの課題図書だった理科と絵本を合わせたような児童書のタイトル。「およげ! たいやきくん」も流行っていた頃だ。

 そして真名子。これは作品の舞台である、あの地域にある地名である。

 いつもながら僕のネーミングセンスなどこんなものだ。


 物語の構成は、ショッピングモール受付嬢である沙織、その兄の恋物語となっている。今回の足利編。大学の後輩で両思いだった女性とばったり東京の仕事先で出会うというところから物語は始まる。相手は元ミスコンの優勝者。僕もこの境遇なら告白なんて出来ないなあ。己を知れ! って自分を戒めてしまそう(笑)。そこで妹の沙織が活躍する。鮭野の性格がうつったように。こちらは恋愛と郷土愛がメインのもの。


 真名子の方は一応恋愛物語だが、その先にも視点はおよぶ。「いつもの物憂げにも思える毎日が実は幸運なのだ」という概念的な主題。そして婚約者を通してそんな思慮深い日常に気付かされることが物語の流れ。お金、時間、行動と習慣、地域と生い立ちという人間の性格を形成する年輪や成長のなかで、人間のさがによって変わる人生や幸せを若い二人が見つめるという話。こちらは角度によって変わる人間の幸福をどういう見え方で捉えるかというのがメイン。


 どちらも続編なので第一話の登場人物を共通の人物に出している。小話的な要素で気軽に読んで頂けると良いかなと思う。ふたつとも郷里の両毛地区が舞台だが、既に横浜の続編もアップしている。あとは江の島と鵠沼の続編も思案中である。今年中にアップできれば良いなと思っているが、今のところ過密スケジュールのなか何とも言えない。順にコツコツとやっていくだけだ。


 気がつけばこのエッセイ、もう第八十話だ。この数字、特に僕の思いはない。読者さんには、いつもご愛読に感謝と言うだけだ。次回は神奈川の魅力について考える、という独断と偏見のお話を予定している。年内はあと二回かな? 

ではまた。


『三日月が似合う神明社-恋と御縁の浪漫物語・足利編-』

梢子が思い出の織女神にあずけた鍵

https://kakuyomu.jp/works/16817330648987508489/episodes/16817330667831352649


『芋串フライと蔵の街の神明社-恋と御縁の浪漫物語・栃木編-』

真名子の幸せと道の駅

https://kakuyomu.jp/works/16817330650289722068/episodes/16817330663629064519

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