第81話 神奈川の話
何故に僕が神奈川県に住み続けるのか、という話とも一致するのだが、その理由、簡単に言えば、この県、この地域の持つ魅力である。それにつきる。
僕が初めて神奈川県を訪れたのは幼少期に遡る。小学校の一、二年生か、三年生くらい。城ヶ島だ。親に連れられてきた。生まれて初めての京浜急行に品川から乗った。見慣れない赤い電車に魅了されたのを覚えている。ちょうど三崎口駅が開業して間もない頃だった。今はもう諦めたのだろうが、この先に延伸の計画があり、三崎の市街地と城ヶ島までをその矛先にしていた。当時はそんな計画案内のチラシやポスターを随所で見受けた。
そして川の中州以外で初めて島というものに渡った。勿論出来てそうはたっていない城ヶ島大橋でだ。新鮮な魚介類よりも、岩場で図鑑や縁日でしか見たことの無い自然に生息するヤドカリやカニを見て大興奮だった(笑)。海無し県の住民アルアルだ。
次の機会は小学校の修学旅行。初めての鶴ヶ岡八幡宮、山下公園、江の島である。実際には江の島じゃ無くて稲村ヶ崎から江の島を見た感じだ。R134号線を走って感動した。海のある車窓。大きな富士山。全部今は近所の景色だけどね。それとまだこの頃は八幡さまの太鼓橋を渡ることが出来た。僕が大学を卒業した前後、その頃に通行禁止になったと思う。
宿泊は今はなき、京急油壺マリンパーク隣接の京急油壺ホテルだった。翌日は城ヶ島によってから帰った。ぼんやりと「北条政子と草もえる」というまんじゅうっぽい折詰め菓子のお土産を買っていった記憶がある。
中学に入ってからは長い休みになると日帰りで横浜と湘南に遊びに行った。この頃になると自分で行動できるので、友人と行ったり、一人で、というときもあった。
横浜の時は確か日比谷線で中目黒経由で東横線、かつての終点駅の桜木町に出た記憶がある。日本大通り、海岸通り、山下公園を横断して、山手や港の見える丘公園(フランス山とかイギリス山のあたり)をぶらぶらして楽しんだ。今のように整備されていないので、フランス山は森林散策に近かった。
栃木でも何も変わらない山歩きとも思うのだが、そこから見える氷川丸やマリンタワー、本牧の港、埠頭の様な景色は地元には無いものだ。勿論当時はまだベイブリッジやランドマークタワーなどない。高いのはマリンタワーぐらいだったと思う。
大桟橋も今のような「大さん橋」では無くて、ちゃんと「大桟橋」だった(分かるかな? この意味)。そこの入口横にあるフェリー待合所の立ち食いそば屋が結構美味しかった。
江の島と鎌倉に来るときは、中央線や営団地下鉄(現・東京メトロ)で上野や浅草から新宿に出て、小田急経由だった。あの当時は急行に乗ると、前六両が小田原行き、後ろ四両が片瀬江ノ島行きで間違そうになること数回。相模大野駅で右往左往していた。藤沢や江の島から江ノ電に乗り換えて古都鎌倉に向かうことも多かったなあ。
箱根のデビューは遅くて、神奈川引っ越し後、それを機会に行ってみた感じだ。温泉に浸かりに箱根湯本に行った。
まとめてみると、三浦半島と城ヶ島、湘南、横浜、箱根、鎌倉という地名をここでは挙げている。政令都市、港湾都市、工場群、古都、避暑地、保養地、漁村、温泉、大自然まで、結構なバラエティに富んだ場所が一つの県に凝縮されている。しかもほとんどが東京から鉄道などで一時間以内だ。こんな県って少ないと思える。またさらに加えると横浜に隠れがちだが川崎も結構な都市だし、工業地帯だ。国立公園の箱根の他には、丹沢大山という山岳風景も存在する。ここは同様に国定公園に指定されている。
同じ条件でいくと兵庫県と三重県がこれに近い風景を持っているはずだ。大都市名古屋まで近いエリアにあり、都市化して工業地域の四日市、榊原温泉や忍者の里伊賀上野、神都伊勢、フェリーターミナルの港町鳥羽、ここは新鮮な海の幸の宝庫でもある。モータースポーツの鈴鹿などが三重県だ。ひとまわり小さな神奈川県ってとこだ。
対して兵庫は、やはり大都市大阪まで近く、国際港の神戸、丹波の自然、有馬温泉など条件は揃っている。姫路や明石の魚介類は瀬戸内の美食だ。灘の酒もある。
結構、ブログ時代から四方山話を続けてきたが、神奈川県を絶賛する記事は初めてである(笑)。横浜の洋食、牛鍋、中華街、箱根と湯河原の温泉宿の海鮮料理や芦ノ湖の味覚、鎌倉の和菓子、三浦三崎のマグロ、湘南のしらすと結構なグルメ地区である。都市機能、風光明媚、海鮮料理、渓流遊び、遊覧船などのレジャーにも生活にも潤いのある神奈川県。。ハルカスに抜かれたがまだまだランドマークタワーの展望台だって結構な名所である。
その他この地域、とりわけ湘南地域の温暖な気候も僕を魅了しているのだが、それは以前書いているのでそちらをお読み頂きたい。
それにしても、神奈川県をこんなに褒めちぎっていいのか? 神奈川県、お礼に僕も褒めてはくれまいか、なんちゃって(笑)。ではまた。
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