第5話 未熟な僕が描く拙作小説の世界について
あまりこういうのはエッセイで書いたことがないのだがPRにもなりそうなので、ちょっと僕の描く小説の世界観を自分で説明してみたいと思う。今回は三つの作品をご紹介させて頂く。こういうのを『手前味噌』と言う。夫婦ゲンカと同様、犬も食わないどうでも良い話である。でははじまりはじまり。
僕がおおよそ二十五年前書いたのが『
性質はタイムリープ、タイムトラベルのSF作品である。神社の境内に現れるタイムホールで時間を飛び越える設定だ。写真やカメラなどが推理アイテムとして出てくる。初出当時はフィルムの一眼レフだったが、2000年代に入ってから改稿して現像室からプリンターに、フィルムからデジタル一眼レフにアイテムを変えている。
今はその派生の続編が本編シリーズになっている。本支逆転だ。そしてその本編となったシリーズは、頼まれもしないのに四半世紀以上続けている作品である(笑)。第五シーズンまで行っており、番外話を含めると三十話程度のお話がある。本編シリーズとなったこの派生続編の方は、スタートの際、一回仕切り直しをして、登場人物は重複しているが、年齢を上げて別のお話とした。なので、本来の初出作品、当時原稿用紙で書いたものは「エピソード・ゼロ」として番外編扱いの別の括りにしてある。
この小説の基本理念はなるべく悪人を作らない。登場時点で悪人のように書いていても、最後には善意が見えるようにオチを付けてあることが多い。恋愛要素は描くが、情事場面は描かないというのもある。そんなものは読者が勝手に想像して欲しい。僕が情景や描写を押しつけるなどおこがましい(笑)。僕が描けるのはいいところKISSまでである。
舞台は旧伊勢神宮の御厨のあった場所の中心神社、登場人物は十代から老人までという年齢に偏りを与えないようにする、という基本設定部分がある。これは僕の他の作品にも合致することが多い。
もちろんネット環境は本来、若者向けの媒体が多いのでそっちにシフトした方がウケが良いに決まっている。プレビューも上がるだろう。でも僕はそういうことを作品にのっけて表現したいわけじゃないため、あえてこの設定を選んでいる。もともとO・ヘンリーやジュール・ベルヌ、芥川龍之介をもっと軽くして(軽すぎの感もある)現代風にしてSFにして、僕の色つけしたらこうなりました、という作品を目指した。志、大義と出来上がった作品は大違いだが……(笑)。
次は『超短編集(ショートショート・ワークス)』。すなわちショートショートである。これはベースに星新一さんや眉村卓さんの風味があるのかなと自分では思っている。オチが重要で、設定は不思議なメルヘンだったり、科学だったり、民話だったりもする。ダジャレや落語の雰囲気も入れてあるので、おじさんウケが良い(笑)。そんな作品である。※2
ただし第二巻の『ショートショート・ワークス 恋慕譚集 超短編集Ⅱ』では若者ウケ狙ってみました(笑)。
最後はこのカクヨムに披露させて頂いているもので、僕の中で「ご縁と恋愛成就シリーズ」とか「ガールズネームシリーズ」と勝手にグループ・ネーミングしている神明社や有名神社を通じた物語の短編たちだ。神社と女性の名前がタイトルに入っているためにそう呼んでいるだけである。※3
これらの作品は十二月の応募のために仕上げているもので、現在も新作を執筆の最中だ。これらの原点には結構大昔の唯川恵さんや角田光代さんの作品の雰囲気を出したいなあ、と思う試みがある。才能ない頭から頑張ってひねり出してみた。まあ両者に遙か及ばないのは当然だが、僕なりの世界観に楽しんでもらえればそれが一番である。
一番好きなのはと言いたいところだが、三日月、桜、コンサートホール、神保町、海風と全てが好きだ。この物語に出てくる登場人物もみんな好きである。これだけはSFではない。なので、カクヨムさんという別の媒体を借りて連載させて頂いている。このエッセイと同じ媒体だし、試しに読んでみようかな? と思った方は、まず『桜の神明社と映見-僕の道しるべ』か、『三日月が似合う神明社-沙織と恋と杉玉と-』からお読み頂くのがおすすめである。短時間で読み終わるものばかりなので、一度お試しあれ!
『桜の神明社と映見-僕の道しるべ』
https://kakuyomu.jp/works/16817330648932276711/episodes/16817330648934300710
『三日月が似合う神明社-沙織と恋と杉玉と-』
https://kakuyomu.jp/works/16817330648987508489/episodes/16817330648987710101
※1 現在はカクヨムさんでも読めます。
※2 2023/10/30にカクヨムさんでも読めるようになりました。
※3 現在は「神明社のある街角の風景-恋と御縁の浪漫物語-」シリーズと正式なシリーズ名がつきました。
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