第6話 湘南四半世紀
僕が湘南に転居してから四半世紀以上が経った。県内いくつかの町に暮らした経験があるのだが、実はお気に入りは藤沢である。もし藤沢を離れることがあれば、あとは横浜市に住みたいと思うぐらいだ。それも場所は限定されて、伊勢町から戸部辺りが良い。そのあたりでないのなら、藤沢が住みやすいので、動かずにいるだろう。
湘南という地域の言葉にどの辺りまでを指すかというのは、各所で意見が違う。僕は「こうだ!」とは言い切れない。おおよそ全ての意見をカバーすると小田原の手前に位置する二宮町あたりから三浦半島の相模湾側までの広域となる。ほぼ国道134号線に沿った海岸沿いの町だ。具体的な自治体で行くと、二宮町・大磯町・平塚市・茅ヶ崎市・藤沢市・鎌倉市・逗子市・葉山町・横須賀市(相模湾側)となる。ただし自動車の湘南ナンバーとなると寒川町や秦野市、箱根町、松田町など内陸部の自治体も一部入ってくるようだ。運輸局は平塚市にある。逆に鎌倉市や逗子市は横浜ナンバーである。そんなわけで結構あいまいな基準からか、どのように湘南という地域をイメージするのかが県外のひとにはピンとこないようだ。当然、住んでいる僕も詳しくは分からない。
藤沢市には江の島という観光資源がある。新宿からロマンスカーなどに乗って、片瀬江ノ島駅に着き、水族館見学や海産物を食べ、江島神社をお参りして江の島のシーキャンドル(タワー)を見る。そして江ノ電に乗って、そのまま鎌倉に行って古都三昧で楽しむというのがおきまりのコースのようだ。これが東京などから観光で来る人たちの行動になる。
一方、住んでいる人間には季節感があり、国道134号線が鎌倉高校前辺りで渋滞し始めると春と秋の行楽シーズン、国道467号線や浜須賀交差点から内陸に続く湘南新道などが朝夕に渋滞して動かなくなると海水浴シーズンというイメージだ。箱根駅伝の交通規制看板で年始のイメージ、また「生シラスあります」のボードが海産物のお土産屋さんなどに出始めると春のはじまりという気分になる。
藤沢が良い町なのは、町の大きさがちょうど良いことに起因すると多くの人が言う。大都市ほどゴミゴミしていないし、適度に生活に必要な買い物は不便なく手に入る。ちょっと特殊な買い物は大都市横浜の中心部が電車で20分ほどの場所にある。便利だ。
交通はJR東海道線、小田急江ノ島線、江ノ島電鉄線、湘南モノレール、相鉄いずみ野線、横浜市営地下鉄ブルーラインという多くの路線が市内に駅を持つ。いわゆる交通の要衝である。
客観的に挙げてみたこの町の特徴だが、住めば都でもあるから僕はひいき目に見てしまうので、感想や詳細は控えたい。もし湘南に来る際は、藤沢を入口にして各市に行ってみてはいかがだろう。別に観光協会の関係者ではないが、いち住民として楽しい町であることはお伝えしておきたい(笑)。
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