手術は絶叫を伴うもの
くぅーんくぅーん嫌がるぽちを無理矢理引っ張って手術台に乗せる。
数日間は手術の前準備があるのでここで寝て過ごすことになる。
「私も一緒に寝るからさ、頑張ろうよ、ぽち」
「くぅーん」
そして手術は始まったのだが。
「グガアアアアア!!」
あまりの痛みに暴れ狂うぽち。それをシャルが結界を張って封じる!
「グアギャア!」
「サキ殿の支援を受けた私の封身結界が! 破れる!」
「ぽち! がーまーん! がーまーん! がーまーん!」
「あと一捻りすれば親指は完了しますよ!」
「ぽち人差し指もなくなってるんだよねえ!! ぽち痛みで死んじゃわない!? ってか麻酔はどうなってるの!?」
「最高級の麻酔を最高レベルでかけてあります! モンスターなので痛みで死ぬ耐性は高いと思われます!」
「ぽち様とシャル様への支援強度もう一段階引き上げます! ぽち様頑張って!」
もう研究所が壊れるかというくらいの騒ぎの中、無事に手術は完了。
痛みでぐったりしているぽち。魔力を使い果たしてぐったりしている私たち。咆哮で破壊された研究所の修理費を概算している青い顔の研究員。みんな疲れ果てていた。ここに勝者は誰もいない。
ただ、結果は出た。
数日休息したのちに、ぽちは魔導義肢が丸見えながらもちゃんと歩くことが出来るようになったのだ。ヒャッホウ。
「やったー! ぽち歩けるようになったー!」
「わうー!」
「研究員としてもホっとしました。まだ痛みがあるかと思いますので無理はなさらず、可動域の問題や定着率の問題などもありますので、無理してリハビリしてください」
「無理はしないで無理をするんですね、わっかりました!」
リハビリと聞いてニヤリとしている人物が一人。
「今日からリハビリしましょうね、ぽち様。ね、タノシクヤッテイキマショウネ」
「わ、わうー……」
「ぽちが怯えとる……サキ、お手柔らかに」
「ソウハイキマセンヨ、リハビリハシッカリトネ」
「「わ、わうー……」」
この日からサキの超絶リハビリ鬼特訓が始まったのである。
結構関節が固まっていたらしいから……ね。
異世界転生したら白いきつねっ子で白属性使いになったので白を他の属性に染めながら成長していきます。~白色はどんな色にも染まる色~ きつねのなにか @nekononanika
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