首都なんだけどまずはこっち
滅んだ街の後処理は軍がやるということで私たちは大型魔導トラックに乗せられて首都方面へ向かう。
いやあ、出てきたよ、車。しかも内部の機構が難しい大型トラックとか。
さすが首都は凄いな。
首都へ向かうにつれ森が消え林が減り木が無くなっていく。
土埃の香りが機械油の香りへと移っていく。
都会の香りだ。
そしてついた首都には防壁も何もなかった。膨大な数の家はあるのに、守る機構が存在してない?
「防壁無いのにどうやって防衛するんだろう?」
「ヒゲソリ騎兵隊宿舎にいる人にでも聞いてみましょう。今はぽち様の爪を治すのが先です。運転手さん、魔導義肢研究所へ」
なんか話は既にサキの中で整っているようで、トラックは、ビルの群れ、車の渋滞、点滅する信号、魔導の線なのか青い線が引かれた服を着ている人々。それらを駆け抜け巨大な工場にたどり着く。
「ここが魔導義肢研究所かー研究所って感じがしないね」
そんなことを言いながら降りると、外には研究所の人が既に待っていた。
「モナカ様、サキ様、そして皆様。よくぞお越しくださいました。研究員のタヌルです。ぽち様の御様態はいかがですか」
すると降りてすぐ横でのんびりしていたぽちがすくっとたってゆっくり近づき、右足を見せる。
「ふうむ、触っても? ありがとうございます。ふーむふーむ、なるほど、綺麗に切れているのと、関節が残っていますね」
「それは良い知らせなんでしょうか」
不安になる私。
「痛みは伴いますが間接部に魔導義肢を捻り込めば良い骨となってくれますね。モンスターの肉体がそれを元に伸びていって、半年から一年くらいで義肢を覆い尽くすのではないでしょうか」
「おお、良い感じですね主どの!」
「わうぅー……」
痛いことに怖じ気づくぽち。よーしよしよし痛くないぞー痛くないぞー。
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