さよならの代わりに

霧島雪菜

さよならの代わりに

「ねぇねぇ、明日葉~」

いつもよく聞く声が聞こえる。

「うるさい、何なの」

と返事をすると"彼女"早崎花音が(う~んつれないな~)という顔をして言う。

「えっとね、今日この後遊びに行くじゃん」

と今朝の教室で予定した内容を言い出した。

何なのだろうと、頭の中で考えていると。

「あのさ、予定立ててた時間あったじゃん全部やり終わった後話したいことがあるからさ」と、言った。

「何かあったの?」

私がそういうと。

彼女は「何もないただ、明日葉だけに言いたいことがあるの。」

何を話したいのだろう、あの言葉が頭の中に残ったまま花音との遊びに出かけた。

「あぁ~楽しかった」

ふと、花音の声で意識が戻った

「楽しかったよね、明日葉‼」

そのように言う花音の笑顔は、遊びに出かけて時間が過ぎたのが惜しかったのかそれともこれから話すことがひどい内容なのか少し暗かった。

「気のせいか」

私がこういうと、「なぁに?」なんて返してくるので気のせいだったのだろう。

「ねぇ、遊びに行く前にいったこと覚えてる?」

きた、今日の本題といってもいいかもしれないものが来た。

「あのさ…やっぱここじゃ言いにくいや、別の場所いかない?」

そこまでひどいことなんだろうか、心配なのを悟られないように。

「いいよどこ行くの?」

「う~ん、そういわれるとね~どこ行こうか?」

なんも考えてなかったらしい、不安がどっかに飛んでった気がする。

「それじゃぁ~人通りの少ないとこかなぁ~」

前言撤回、不安=サンお帰りなさい。

「うん、分かった」

遊びに行ったといっても6時くらいにこの話になったのでまだまだ人通りは多い。

「あっそうだお金に余裕ある?」

どうしたのだろう。

「いや~これから話すためにすこ~し遠いところまで行くけどイイ?」

そういうことか

「いいよ気にしなくて、大丈夫いつもどっかに行くときは余裕を必ず持たせているから」

こういうと花音は、なら良かった。なんていうのだから。

「よぅしなら今から電車乗ろうね」

「分かったよ」

そこから、十数分経って電車を降りて数分歩いたくらいにちょっとした森なのか山の麓についた。

「あともう少し歩くけど大丈夫?お家の門限とかない?」

「なら、‛もうとっくに門限だから帰るねー'なんて言って帰ってるよ」

「だよね~」

やっぱりあんな風に言っていただけでそんなに深刻なのではないのであろう。

そこから、何分経ったのかおそらく15分くらい歩くと周りに多くの木が生えていたのに急に開けた場所に出た

「ここは?」

「えっと、私もつい最近まで知らなかったけどここの森こんな感じの場所が多くあること知ってちょくちょくくるんだ~」

(そうなんだ)こう言いたかったが、私はこんな場所知らなかった何なら花音がここにちょくちょく来ていることも。

「さぁて、ここまで引っ張て来て何話すんだろうと思ってるんだろうけど」

「えぇ、待ってた。何話すの?」

「ちょっと待って!いくら友達でも会話キャンセルしてまで言わないでよ!!そんなに待たせた!?」

「ごめんなさいね、流石に30分ぐらい待たされると焦るというかなんというか」

「そうだねごめん待たせて」

ふと思った花音はいつも大切な会話になると適当な感じがなくなる気がする

「いつ言おうか迷ってたの、この件が決まってからいつ明日葉に言おうか」

この件とは何なのか言おうとしたがまだ話が続いているようだ。

「明日葉以外の人には別に言ってもどうでもいいやと思ってさらっと言ったのだけど」

何秒立ったのだろう、少しの時間なのだろうけれど私には花音が息を吸ってから言葉が出てくるまでにとても長い時間が過ぎたように感じた。

「あのね、私今の家から引っ越すの」

「え…それって」

「ベタだよねこういうのって」

「そうだね」

あまりにもそうなのだよくあるラノベのシチュなのだ。

「ごめんねこんな簡単に言えてさらっと終わるはずのことなのに連れまわしたりして」

「別にいいよそんなの、ていうか引っ越すって何?いつ何日?」

「あっちょっと待ってそんなに食いつくんだ」

「当たり前じゃん何言ってるの?」

「ごめんね~」

「ふざけないでとりあえずいつなの?」

「ハイ…エットォジツワァ」

まずいと思ったのか花音は4拍程度置いてしゃべった

「アシタデス」

「え…」

(嘘だそんなのだったら早くいってほしかった何なら今日遊びに行くときしっかりとした思い出を作ろうとしたのに)なんて考えをしていたら

「ごめんね私怖かったの明日葉に言うとほんとにここからこの楽しい場所から離れなきゃと思うようになって」

なんて言いながら涙をこらえながらもポロポロと流していう花音が前にいた。

「だけどこれで終わりだぁ~これでここにいる意味もないや、ていうか明日にはここを出るんだけどね」

などと涙を流しながらでもいつもの花音みたいにしていた。

「待ってよいくら明日だからってまだ少し時間があるじゃんもっと何かしようよ!」

私から久しぶりに誰かを私のところに引き留めようとする言葉を発した。

「嫌だ」

虚を突かれた感じがした花音からしっかりとした拒否をされたから。

「ごめんね私明日葉と一緒にいると胸のあたりが締め付けられるというかなんというかとりあえず今この状況がしんどいというか」

どんどん花音が話す言葉がしどろもどろになっていくのが分かるというかさらっと私に対しての恋愛感情を出してきている時点で私の脳が理解しようとしなかった

「えっとそれであれなんて…」「とりあえず花音は何が言いたいの?」

「ごめん変に混乱してた」「私も理解しようとしてなかったから」

「ひどいなぁとりあえず私はあなた明日葉さんが恋愛感情の好きですそして私は明日別の場所に引っ越します。はいこれでどう‼?」

「そうだねわかったよ、私的にはもう少し早くに言ってほしかったな」

「そうだね、だって明日葉気づいてないと思うけどすごく涙出てるよ」

なんて笑って言ってるものだからそこまでおかしいのだろうというかさっきから視界がよく見えていない。

「ということで、ありがとう楽しかったよ。ここでいうのはおかしいと思うけど」


「さよならの代わりに言うけどあなたのことが好きだから今ここで別れても私のこと覚えててね」


「当たり前じゃんそんなの、忘れるわけないだって...私だって...花音のことが好きなんだもの」


数秒置いたあたりで二人一気にいった

[[両想いだったんだね]]

そのあと二人はぎゅっと抱き合い仲良くそれぞれの家に帰ったそして迎えたその日のお話はまたいつの日か。

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さよならの代わりに 霧島雪菜 @kirijima_yukina

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