【閲覧非推奨】Mission:B 難易度→清水寺の舞台から飛び降りる位

 Mission:B

 難易度:清水寺の舞台から飛び降りる位

 必要物品 : 気持ち良く晴れた空(特に意味はない)

 持つべきもの:批判覚悟でぶっこむ勇気

 消費エネルギー:ジャンピング土下座



「おい、T。お前レビューもらったらしいな」

「そうなんです。通知を見て「ああああ」ってなりました」

「へぇ……んでその意味は?」

「驚きと嬉しさと嬉しさと嬉しさですね」

「あっそ。んじゃ、ミッションBこなせるな」

「B!? Bは無理無理無理ぃ」

「レビューに報いろ! つーか、書くのおせぇんだよ」

「う、うううううう、うう~」















 Mission BとはMission Boys be ambitious のことである。

 ミッション内容をばらしていいのかって? 今回はいいのである。『大志を抱く』ことができるかはT次第なのだから。


 ▼▼この先閲覧非推奨▼▼ 様々な理由により不快に思う可能性があります。

 名言の冒涜、下ネタ注意です。(セルフレィティングなしで大丈夫な程度のもの)























 Tは涙目になっていた。

「無理だよ。大志を抱くなんて……。だって私、わたしは」

 スマホを見つめる瞳は真剣そのもので、ない頭をふり絞って考えているようだ。


「私には相方がいるもん! それに前も言ったけどこの話にはレイティングつけてないの」

 イライラをぶつけているのかクッションをぼすぼすと殴り始める。


「大志って人は周りにいないし、不貞行為はできねーよ!」


 ボスっ!


 力の入った一撃と共に口の悪さが露呈する。ちなみにTは元ヤンではありません。


「あっ」

 何かに気づいた様子のTは、何も言わずにスマホをタップし始めた。その顔には不気味な笑みが浮かんでいた。













 ★ Mission Boys be ambitious クリア ★


『俺の妹は大志を抱く』大志を抱いた先にあるものは……?



「お兄ちゃん! わたし、大志をいだこうと思う!」

 思春期の兄の部屋のドアを、気遣いとか一切ない勢いで開けた妹に俺は冷たい眼差しを向けた。


 妹を見つめる白けた間を3秒ほどおいて

「あっそ、がんばれ」

 と言って教科書に視線を戻す。


 7月でも受験生は忙しいのだ。

 高校デビューして、スカートを短くして毎日ルンルンしている妹とは違う。


「お兄ちゃん、わたしが頑張って本当にいいの?」

 試すような声に顔をあげると、セーラー服のスカートを揺らした亜美あみが無邪気に笑う。


「お兄ちゃん、板倉いたくら先生のこと苦手でしょ? 結婚したら親戚になっちゃうよ?」


「ん?」

 亜美の言っている意味が分からなくて首をかしげる。


「もぉ、察し悪すぎ! 板倉いたくら大志たいし先生と付き合うっていう大志をいだいて、将来的に大志をくって言ってんのっ!」


「あ?」

 うーんと、うーんと……えっと?


「だからだからだからぁー、大志をいだいて、行動して、大志をくのっ」


 握りこぶしを振り回す亜美の目がこの決意は嘘じゃないと伝えてくる。


 俺の担任の板倉大志は、来月結婚予定で婚約者のお腹には赤ちゃんがいるんだが?

 見た目が良く女生徒にだけ甘いので、俺は確かにやつが苦手だ。


「亜美、お前……」

 そおいや俺の妹はチョロイン資質がある。単純で騙されやすい。思い込んだら一直線。


「バカ?」

「ばかじゃなーい!」


 受験生の頭はパカーンと叩くものじゃないと思うが、俺は亜美に思いっきりはたかれた。

 さっき覚えた英単語が3つほど失われた気がする。


「身内なんだから応援してくれてもいいじゃない」

「身内だからこそ応援できるかっ! あいつは結婚予定なの。横取りはダメ!」


「えっ、ええ、えええっ?! そうなの? ショック……」


 好きなやつの情報収集くらいはしといて欲しい。

 亜美の目に涙が溜まる。それが雫になって落ちる前に、亜美は力なくベッドにダイブして身体を震わせた。それ、俺のベッドだけども。


 こうなったらもう勉強どころではない。変な妹だが、素直で憎めないやつなのである。


 ったく、誰だ? こいつの頭に変な意味の『大志を抱く』を吹き込んだのは。名言に対して失礼過ぎる。


 おれのまくらに顔をうずめ、ぐすっぐすっと身体を揺らす亜美。その隣に俺は座る。

 ずずーっと音がした。多分鼻水だ。あとでまくらカバーかえておこう。


「あーみ。ショックだろうけど、元気出せよ」

「悲しいよぉ……」

「だよなぁ。かわいそーに」

「うぅ、お兄ちゃんのプリン食べてもいい?」

「えっ? ああ……いいよ」

「アイスも?」

「んー……、わかった」


 亜美はまくらから顔を離し、俺を見上げる。


「お兄ちゃんって、意外と優しいね」

「失礼だな。俺はいつも優しいだろ?」

「あー、そうだったかもぉ」


 2つ下の亜美は泣き虫で、仕事で忙しい両親に代わりに俺が面倒をみてきた。少々甘やかし過ぎたかと今反省している。


「ねぇ、お兄ちゃんは彼女いるの?」

「俺? いるよ」

「じゃあ、彼女さんのこと好きー?」

「まぁ、そりゃ、付き合ってるからな」


 妹に恋愛話をするのは恥ずかしいんだが。


「私よりも好きー?」

「はぁ? 比べるもんじゃねーだろ?」


 俺の言葉に亜美はほっぺたを膨らませて俺を見る。

 なんで不服そうなんだ。逆にお前の方が好きって言っても絶対キモイとかいうだろ。


「ふぅーん…………なんか嫌だな

「あっ? なんだよ?」


「ふーん…………さびしいな

「なんだよっ?」


「……あっ! ふっふっふっふっ」

「おい! 亜美」


 元気になったのはいいが、笑い方がこわすぎる。何かよからぬことを考えていそうだ。


「お兄ちゃん、わたし今、新しい大志を抱き始めちゃった」

「えっ? 板倉じゃねーよな?」

「ちがーうー」


「おぬしは10年後に大志の意味を知るであろう! 」

 腰に手を当てて、俺に向かってビシィっと指差す妹。


 人は指差すもんじゃない。俺、教えなかったっけ?


 俺は呆れ顔でため息をついた。







 ◇10年後◇


「お兄ちゃん、夢叶ったね」

 満面の笑みを浮かべた妹と大志を抱いた俺。


 まだ首も座っていない大志を抱っこするのはどうにも緊張する。


 おい、変人な妹。俺に向かってウインクすんな。この状況は喜ばしいが俺の夢じゃねぇ。

 大志を抱くのはいいが、抱いたあとが一番大変だろ? なんで父親が夢を追いかけんの了承してんだよ。そいつの大志はここにいんだろ?


 腕の中にいる温もりは色んな意味で俺の大志ではない。

 でも、抱いた大志が可愛くて俺には離せない。


 ぷぅん


 かぐわしい香りが鼻腔をくすぐる。


「……亜美、オムツどこ?」


 うん、この瞬間、俺は大志を抱いている。



 ≪おしまいこれから大変そうだけど……










 ずさぁぁぁぁぁぁっ!!!(ジャンピング土下座)

 ほんとーに申し訳ありません!

『大志』という名前の皆様、すみません。思いつきでやってしまいました。

 ご存じの通り、この言葉の意味は全く異なります。

 不快に思った方もいると思います。すみませんでした。状況で今回の話は非公開にしようと思います。


 さて、長らくスランプな私がようやく書いた物語(?)、レビューをいただいて「頑張らにゃアカン」と書いてみましたがかなり時間を要しました。面白いのかも、これでいいのかも謎です……。いや、アカンですね。


 季節的なものか心身ともに冬眠状態なので、執筆も読書も遅々として進みません。

 以前よりかなり低浮上になっておりますが『できることをしていてこの状態』と思っていただければ幸いです。

 皆様の作品を読みたくないわけでも、自作を書きたくないわけでもありません。

 やりたいことができずもどかしく思っています。


 もうすぐ今年が終わりますね。体調を崩しやすい時期ではありますので、心身ともにどうかご自愛くださいませ(*´-`)♪


 最後までお付き合いいただきありがとうございました!

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