Mission:G 難易度→両想いなのに告白を断る位
Mission:G
難易度:両想いなのに告白を断る位
必要物品:決断力のある相方
持つべきもの:国民的有名漫画をネタにする勇気と無慈悲な心
消費エネルギー:兄貴の背中を流す弟子
「T~。今日はMission Gしに行くぞ!」
「いやよ、私は行かないわ」
「なに上品ぶってんだ? ほれ行くぞ」
「あ~れ~」
今回の話はハンカチ/ティッシュが必要な涙活Mission。心して読んでくださいな。
逃げるTの手を離さない決断力のある相方。
ノリノリな相方に反し気乗りしないT。
勝手に話を進める相方にTの目からは涙がこぼれ落ち
――なかった。
★Mission
名前にDの入った青く輝く新入り。彼は言った「掃除王に俺はなる」と。
知る人が知る事実……T家の掃除機はスイッチを入れても数回に1回しか動かなくなっていた。
声はか細くなり起きられる時間も日に日に減っていく。思いつく限り手を尽くしたが回復しない。Tは彼に頼らず掃除をするようになった。
彼はこの家の先住民。ご老体は労わるべきであろう。
この家での彼の立ち位置は、口うるさいけど情にあつい執事みたいなもんだ。
しかし、15回に1回ほどしか起動できなくなったことを告げると相方は非情な決断をした。
「んじゃ、買い替えるか」
Tは抵抗した。
Tは彼の短編書いちゃった。
Tは「じいはまだやれるわ」とお嬢様風に懇願した。
Tはじいの見守る中、家をきれいに掃除した。
「俺に頼らないなんてお前成長したじゃねぇか。もうこの家に俺の居場所はないみたいだな」
はっきり聞き取れたのはその言葉だけ。
彼は執事じゃなく、嫌々仕事してたヤンキーの兄貴みたいなやつだった。
彼はくぐもった声しかあげられずに苦しみ続ける。そんな姿はもう見ていられない。
2022年12月4日午後 掃除王の仲間になる
2022年12月6日午前9時
「行ってきます」いつものように出勤する相方。
いつもTがいる位置には1台の掃除機が立っていた。そのボディはピカピカに磨き上げられている。
実はTよりも相方と付き合いが長い彼。2秒くらいノスタルジックな空気が流れた。
相方の指先が彼の身体にそっと触れ、優しく撫でられる。
ああ……一体何回その手で一緒に家中を掃除したのだろう。Tの知らない二人の思い出の数々。
「お疲れさま」小さく言葉をかけ、相方は家から出て行った。
2022年12月6日午前10時6分
インターフォンが鳴り、青い新入りがやってきた。お役目バトンタッチだ。
茶髪の可愛い女の配達員さんに丁寧に抱えられ、シルバーボディのご老体な彼はT宅から旅立っていった。
彼の旅路が慈愛に満ちたものであることを願う。
昔の仲間に会えますように★ミ
えっ? 泣けなかった?
それは申し訳ない……。私はなんか寂しいんですけどね。変?
昔、実家で焼き芋を作ろうとしてレンジ機能で60分かけたら
――レンジ壊れました。イモはぱさぱさになりました。食べたけど。
オーブン機能と間違えたのです。親が新婚当初から大事に使っていたオーブンレンジさん。本当に申し訳ないと思っています。
んじゃまぁ、そんな感じ(どんな感じ?)で終わります。
お忙しいところ読んでいただきありがとうございました!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます