第48話 楓の進路

「お兄は久美さんとかの影響というか、半ば強制的に今の学校にはいって、楓さんはお兄を探して久美さんとかのいるこの学校に入ったんだよね?」


「そうだな、俺の場合は父さんのことがあって、そもそも進学も考えてないくらい何にも考えずにいたから久美とかといっしょにいたほうがいいって鴨川の親父さんとか真治兄さんにも説得されたからな。今考えたらあいつらの偏差値ならもっと上の学校も狙えたのに悪いことしたと今更ながら考えさせられるな…。」


「うーん。久美ちゃんもそうですけど、私も萌君を一人にはしたくありませんでしたし、今の学校に入ってよかったんじゃないですかね?1年生の時はともかくとして今はとても幸せですし。ここ以上の偏差値の学校行っても勉強ばかりで自由もなくなりそうだって久美ちゃんも言ってましたよ。だからあんまり気にしなくてもいいじゃないですかね?」


「そうかなぁ」


「そうですよ。なによりあっちもラブラブなんですからいいんじゃないですか?」


「それもそっか。」


「お兄もモカちゃんもちゃんと私のこと忘れてない?」


「あ、ごめんなさい。お、覚えてますよ、、、。えっと。楓ちゃんは学校選びで悩んでるんだよね?」


「そうなんだよね・・・。去年までは都市部の県立総合高校に行って看護学科に張ろうと思ってたんだけど。お母さんからはお兄達にもう一度相談してみたらって言われてさ。」


「そういうことか。俺はいいと思うぞ。看護師のことはよくわからんけど自分がやりたいことができる学校が一番じゃないか?」


「えと、たぶんそういうことではなく、もしかして楓ちゃんお義母さんも通った。私たちのいる高校に入りたくなって相談したんじゃない?」


「え?そうなの?俺のいるところは嫌なんじゃないの??看護学科もないぞ?」


「萌君…、デリカシーないですね。」


ん?俺なんか悪いこと言ったか?

萌香がジト目で見てくる。楓もだ。なぜに・・・解せぬ。


「うんとね。お兄、前にも言ったけど別にお兄が嫌になったわけじゃなくてね。どう接しいいかわからなかったというか、おばあちゃんに叱られるまでは自分の感情もよくわかってなかったんだけどね…。だからお、お兄のことは嫌いじゃないよ。むしろ好きなくらいだし。」


おお、うれしいこと言ってくれるなぁ。


「なんだ、おまえならうちの学校余裕で入れるだろ?得心にも合格できそうだしな。何なら途中まで俺が載せていくぞ。」


「いや、それはいいモカちゃんに恨まれたくないし。自分で免許取るつもりだからさ。原付2種ならいいってお母さんの許可も取ったし。」


「そっか。なら別に俺からいうこともないよ。な、モカ?」


「ですね。では後は目標に向けて頑張るだけですね。何気に倍率高いですから、うちの学校。」


「え?そうなの?知らなかった…。」

いや、よく入れたな俺…。

久美たちにはほんとに感謝しかないな。


「お兄って何気に集中するとすごいからね。」


「ま、まあな!」


「萌君…。」

あっ、またジト目で見てるな。


「俺も決めなきゃな。なんだかんだでここでの選択って結構大切な気がするし。」


「そうですね。私も決めなきゃですね。」


「お兄達も決めることあるの?」


「まあな。大学に行くかもしれないだろ?その時に何にも考えずに文理を決めとかなきゃいけないんだよ。俺が目指したいものは理系に行ったほうが良さそうなんだが、いまいち苦手だからなぁ。」


「私も看護師さんになれたらいいなって。だから理系に進むつもりですよ。」


「二人もいちゃいちゃしているだけではなくていろいろ考えているんだねぇ。」


「おいっ!楓!」「もうっ!楓ちゃん!」


「ごめんね。妹ながらちょっと妬けちゃってさ。でも、進む道の先輩もいるし私も決めたよ!よし、紺やお母さんたちに報告だ!」


「父さんにも報告しろよ。じゃないと、拗ねて化けて出るぞ。」


「…うん。そうする。なんかほんとに来そうな気がする。たまに来てるし。」


「マジか、きてるのか。」


「あ、私の夢にも出てきますよ。なんか普通にかわしていると朝になってます。息子のこと頼むって毎度いわれてますね。」


「「なんかごめん。」」

少し恥ずかしい…。


「いえ、私のことも娘みたいに思ってるからってだから護ってるって言ってくれてうれしかったですよ。」


「母さんが知ったら拗ねそうだな。」

「そうだね。でもお父さんすごいね。なんか、いってた山が霊山だったからかな。」

「かもな…。」








「だから理系に進むことにするよ。


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尊敬する父を追い続けた結果、人間不信(孤独)になりかけた俺もラブコメみたいな恋愛に憧れます。 パパゴリラ @Gomdam_MK2

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