第47話 キャンプの後
前の話からずいぶんと経ってしまいましたが、もう少しだけお付き合いください。
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あのキャンプからしばらくして、季節は夏休みが終わり、まだまだ暑いが、秋に差し掛かっていた。
これから、萌や萌香、久美と仁、聡汰と真弓、その他にとってとても大切な選択が待っている。
いくらこの学校が特別な進学校でないとはいえ、将来のことを考えなければならないことには変わりはない。
この学校における進学率は、大学・専門学校の区別をしなければ進学率は8割を超える。高卒求人が少ないこともあるが、ほとんどの生徒は進学したうえでまだ遊びたいものや将来のことを見据えて進学するものと、色々と別れてくるのだ。
萌はというと1年次は就職(フリーター)を希望していた。
父を探しに行くためだったが、それはも目標としては間接的にではあるが達成しまったので、正直宙ぶらりんで、どうしたものかと考えていた。それにモカとのこれからのこともある。フリーターではかっこが付かないというか結婚なんかできやしないだろう。
そんな、ことを考えていた放課後…萌の自宅リビングである。
「萌君はどうしたいです?」
「ん?なにが?」
「将来のこと…。こんなこと言うと重いとか思われるかもしれないですけど、将来結婚する…したいと思いまして、、、」
「あ。ゴメン…。」
「え、?。ゴメンって…。そっかぁダメですかぁ…」
「ん?あ、違うよ。萌香との結婚のこともそうなんだけどさ。
なんというか、俺の目標が達成されたわけじゃない?そして、いろんな意味で過去との決着もついたし、大切な恋人とも再会できたし次の俺の目標って何になるのかなって、考え出したらわけわからなくなってさ。進学も考え始めてるんだけど正直さ、成績なんか気にもしてなかったからな…と」
「そっか。ゴメンなんか勘違いしてて。
でも、私も嬉しいよ。萌君のお父さんのこともそうだけど昔の萌君が戻って来たみたいで1年生の時とは比べられないくらい萌君もイキイキしてるしね。
あっ、それに萌君の成績は悪くないと思いますよ。いつも平均より高い点数でしたし。」
「あぁ、それは一人暮らしの条件やら、バイトの条件とかもあってなぁ。最低限の所は抑えてきたのだよ。」
「そうだったんですね。それでもすごいですよ。あれだけアルバイトに時間使ってるのにすごいことですよ。」
「いや、そもそもこの高校に入れたのも今思えば久美とかのお陰なんだ。あいつらにもこれ以上心配かけられねぇしな。まずは分離選択どうすっかな…。父さんと同じ道を行くなら理系だけどな。」
「私は経済学部か、看護系で悩んでます。萌君のお義母さんへの憧れもあるので看護系に行こうかなと。最近考えているんですよね。そうなるとやはり理系ですか…。私も得意というわけではないので少し怖いですね…。」
「そっかぁ。うーーん。決まんないな。」
二人してため息をついていると、妹の楓が
「ただいまぁ!」
と帰ってきた。なぜか最近はこっちの家にも帰ってくることがあるのだ。元の自分の部屋にはあまりいないがダイニングやリビングで勉強をしていることもある。
楓も中3で受験生である。しかも成績は優秀だったはずだ。
彼女の目標とする高校は、都市部にある倍率高めの所だったはずだ。
そんな、楓が、萌とモカの所にやってきた。
「あ、お兄ただいま!モカさんだぁ。こんにちわ!今日もきれいですねぇ。羨ましい…。」
「おかえり。楓はこっちで勉強していくのか?」
「おかえりなさい楓ちゃん。受験大変ですね。目標の学校はきまってるんです?」
「うん。そのことで二人に相談してもいいかな?」
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