ゾンビかと思った

そうして私達がお昼の用意をしてたら、


「……」


彼がまた緊張した様子になった。


「まさかまた悪神獣……?」


一日に一体しか実体化できないはずの悪神獣がまた現れたのかと思ってギョッとなったけど、彼の視線の先にいたのは、


「……誰……?」


思わず声が出ちゃった。それは確かに人間なんだけど、人間のはずなんだけど、ボロボロで汚れ切った服にボサボサの髪で顔も見えなくて、一瞬、人間には見えなかった。ゾンビかと思った。


「ななな、なに、なに……?」


怯える私を彼が庇ってくれる。でもそのゾンビみたいな人は、


「た……たべもの……」


って口にして倒れちゃったんだ。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る