彼が一人ぼっちにならないように

悪神獣は、日が昇って沈むまでの間に一体しか実体化できないんだって。だから今日はもうこれでおしまい。


「お疲れ様」


私は彼をそう労った。


「うん、ありがとう」


彼も笑顔で応えてくれる。その笑顔がまた爽やかで眩しくて、胸がキュンキュンしちゃう。


堕神の存在や悪神獣の襲撃は、本当はそんな呑気に構えてていいことじゃないはずなんだけど、でも、彼以外の人にはそれこそ危険すぎるし、迷惑は掛けられないから。


それに、彼の加護がある限りは大丈夫。


私は、まあ、そんな彼が一人ぼっちにならないようにってことで傍にいるだけなんだけどさ。


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