掌編小説・『いい推し』

夢美瑠瑠

掌編小説・『いい推し』

(これは今日の「いい推しの日」にアメブロに投稿したものです)



掌編小説・『いい推し』



 事実は小説より奇なり、というが、僕の最近の人生も全く小説よりも奇態というか複雑怪奇で面白い。という気がする。


 いろんなことを全部書き出すときりがないので、「いい推し」という表題に纏わることだけに絞るが、何度も書くことですが、僕は「ポコチャ」というライブ配信アプリにハマっていて、暇があるとその女性たちの生配信に入り浸っている。

 それはもう種々様々、多種多様、よくこれだけのバラエティーに富んだ顔ぶれが存在したものだ?と、感嘆するほどにいろんな女性が入れ代わり立ち代わりライブ配信をリアルタイムで断続的に次々と矢継ぎ早に執り行っています。


 若い女性の、それも美人が多いのは当然かもしれないが、だから「ポコチャ」さえあれば、妙齢の美人との至福の密接な交流を、やろうと思えばスマホを開くだけでエブリータイムエブリーホエアーに行うことが可能なのです。いろんな飛び切りの美女の「ライバー」とFTFの交流を数限りなくもう一年くらいほぼ毎日隙間時間を見つけては試行、敢行、実行し続けています。無数の出会いやら別れやらがあって、エピソードも書き出すときりがないくらいたくさんあります。


 その中で、僕が「推し」にしているのは「あさみん」と名乗っている23歳の女の子で、なんというか、この子は一種独特のユニークな可愛らしさがある女性です。

 出会いはわりと偶然なのですが、出会って10か月くらいになるが、この子の新鮮な感じの魅力は全く色褪せないで、見るたびにどんどん可愛さが増していく感じがする。純和風の顔立ちで、額がすごく広くて、眼が切れ長で、聡明そうな印象です。元はアイドルをやっていたというが、確かに歌を歌うとこれはプロだな?と思わせるような深みというか普遍性?がある。


 そうして「あさみん」は確かに非常に賢い女性らしいのです。僕のやっている小説のサイトを「あさみん」に紹介したところ、僕の小説を読んでくれるにとどまらず、「あさみん」は自作の小説?を投稿してくれた。それが、なんとも素晴らしいのです。文章や論理の歯切れが良くて、自由闊達で、斬新で、ユニークで、面白い。余程に賢い人だな、と思わせる、人柄そのままとも言える、唯一無二で出色の出来の小説だったのです。配信の中で僕が「あさみん」の書いた小説のことを話すと、しかし「あさみん」は「あれはみんなには秘密よ」と恥ずかしそうに口止めする。普段の明るい個性とはちょっと違った一面を表現しているからかもしれない…


 毎日のように「あさみん」のライブ配信を僕は視聴していますが、いつも彼女は美しくて、清らかで、聡明そうで、はぐれ者の僕でも全く嫌わずに優しく接してくれる。僕がいろいろと過去に話したことや様々なエピソードを驚くほど細かく覚えていて、「いつもやすしは”透明感がある”とか褒めてくれるよね~」とか可愛い反応をしてくれる。


 偶然に出会って、なんとなく成り行きで「推し」になった間柄ですが、「あさみん」は本当にめったにいないような賢明な女性で、共に過ごしている時間も限りなく尊く思える、本当に素晴らしい存在で、僕にとっては(前にも違う文章で書いたことの繰り返しになりますが)一期一会、この大宇宙の時間と空間の中でたった一度の千載一遇、無量大数載一遇の出会い、大袈裟ですがそういう奇跡的な出会いのようにも思えます。

 

 が、「あさみん」のことを考えているとそういう風に理想化してしまうのですが、僕には他にもフォローしている「ライバー」さんが500人以上いて、他にも素晴らしい「一期一会」の「唯一無二」のライバーさんが沢山いるのが実情なのです。

 「ゆきちゃん」さんもまあこんな美女はどこにもいなかろう、という超絶美形だし、「なせちゃん」も整い過ぎているような僕好みの麗人。「ことね」ちゃんは小悪魔で個性が魅力的過ぎるし、「びーや」ちゃんも沖縄らしい南国風の可愛すぎる別嬪さん…


 いにしえの皇帝や殿様のように、サダムフセインのように、「今宵のお夜伽」を選択するべく迫られて目移りして目を白黒させているような状態で、情報技術の技術革新による新たなコンテンツの過剰供給というか?あまりにも可愛い女の子があまりにもたくさん日常に入り込んできて、なんだか混乱してコルサコフ症、多幸症みたいな不思議なハーレム状態という、現状はそういう自分でも同定しにくい状況であります。


<了>

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